Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

こりゃパンソリじゃない!

2009-09-28 | Media


インチョン国際空港で何気なく手にしたCD。副題の East to West の意味するところをちゃんと理解せずに買ったものだから、CDを再生してみて、最初にヴィブラフォンの音が聞こえてきた時は正直たまげた。というより、がっくりした。さらに聴き進めていくと、サキソフォンは朗々と吹きまくるは、トランペットは咆哮するは、ベースはぶんぶん唸るは、なんともはやあいた口がふさがらない。それどころか、ソリックンとプクよりも、伴奏(西洋の楽器ども)のほうが目立っていて、やかましいことこのうえない。

ブックレットを見てみる。ななんと、西洋楽器の演奏者はもちろん、プロデュースとアレンジがウェスタンな人たちじゃないか。道理で。しかしそんなことジャケットにはまったく書かれてない。ヒドイ。。。で、副題である。そう、副題は正しかったのだ。やれやれ。

とはいうものの、このCD、副題どおり、西洋によるパンソリ理解の音楽として聴けばまことに興味深いものがある。事実、聞きやすい音楽に仕上がっていることは間違いない。伝統的なパンソリとはかけ離れているけれど。。この演奏を、詞の意味の理解不足(あるいは理解不能)に起因する外面的な演奏などと批判することは容易いが、それは東洋における西洋音楽理解でもまったく同じこと。

思うに、「外」のものごとを取り入れる場合、とりあえず彼の意味を捨象し、我の文脈に照らして理解してみるのが手っ取り早い。鈴木淳史さんは、日本人によるクラシック演奏を引き合いに出して、そのような態度を「萌え」と定義し、日本(人)の文化受容の特徴だと言ったけれど、それは日本だけの特徴ではないと思う。あっちの人々にもそれは当てはまるんじゃないか。このCDを聴きながらそんなことを考えた。

パンソリのことをぜんぜん書いてなかった。パンソリはすばらしいです。僕がこの音楽を知ったのは、1993年の「風の丘を越えて:西便制」という韓国映画を通じて。パンソリを主題とした映画です。必見。そして必聴。

38th week

2009-09-17 | Japan
9/14(月) 造園学会関東支部研究発表、支部大会企画等の対応。支部大会学生デザインワークショップ・シンポジウムのパネラー(教育現場からみたDWSの意義についての所見)の依頼をいただく。インターンシップ、PCソフト管理台帳に係る各対応。学部100周年記念館の建設位置に関する検討。

9/15(火) 午前中、PCソフト管理台帳の提出(←締切を大幅に超過)、JABEE実地審査に向けた準備、学部生の卒論打合せ。午後、流山市総合計画後期基本計画審議会(第7回)。科学技術振興調整費。


往時の姿をとり戻した通称"前庭"(イタリア式庭園)は、千葉大学園芸学部に現存する最古の庭園で明治42年(1909)に築造が始まったとされる。(平成20年、関東地方の造園遺産選定)


芝が張られたA棟前庭よりフランス式庭園(平成20年、関東地方の造園遺産選定)

9/16(水) 院生、研究生の学務対応。学部生の卒論打合せ、院生の修論打合せ。JABEE審査に係る学科会議対応等々。

9/17(木) しばらく日本を離れます。帰国は9/26になります。

古楽器は「目的」にあらず

2009-09-17 | Media


古楽器演奏は手段である。シュタイアーはそう考えているに違いない。であるからこそ、現代的にも強烈にアピールする演奏を現出できるのだろう。まるでモーツァルト自身が即興演奏を繰り広げているかのようで、手垢にまみれたモーツァルトが、アラ・トゥルカが、ぼろぼろと崩れ落ちていく。なんとも爽快。

しかし、おそらくは、この演奏を聴いて、目を白黒させる御仁のほうが多いんであろう。で、そういう連中はこの演奏に「個性的」という烙印を押す、と思う。たぶん。個性的とは、己が許容範囲を超えたなにものかに対して、己が鈍感さを覆い隠すために与えられる形容である。いや、とんでもなく説得力のある演奏だと思うけどな。。。

9月のガルテン

2009-09-15 | 借庭日記

9月6日(日) イボメア・サンライズセレナーゼ

西洋アサガオは大味であんまり好みではないが、こいつは例外。秋咲きで八重、ピンク色の可愛らしい花をたくさんつけ、未だ成長中の蔓と葉は11月頃まで青々としている。

ところで、「にわ」というのは、とりわけ菜園の場合に強くそれを感じるのだけれど、一時として同じ姿でいることはない。1週間以上間をおいて接することになるガルテンの場合はなおさらだ(有機無農薬の畑を1~2週間放置するということのもつ意味はまことにすさまじい)。だから、庭いじりや畑仕事には「終わり」というものがない。これを「ガーデニングの終わりのなさ感」と呼ぼう。次から次に降って湧く仕事に対して、不十分な対応しかできない状態が続くと、しだいに精神が不安定になってくる。こんな時ほど、決して止まることのない自然の営みを実感する時はない。植物の生きようとする力に翻弄されながら、忙しい我々にできることなどたかがしれている。まずはその事実を素直に認めよう。無理せず、しかし知的に、生きもののサイクルに身を任せることが肝要だ。「終わりのなさ感」と真摯に向き合い、それを受け入れるという、メンタルな部分でのタフさが庭いじりや畑仕事には欠かせない。そして、そういう状況を楽しめるようになってくればしめたものだ。いやべつに自慢することでもなんでもなく、たあいもないことではあるけれども、でもまあ、植物とつきあうというのは要するにそういうことなんである。


したがって、リラックスするしかけも大事だ。


9月13日(日) 笠間市上加賀田付近の田園風景

この風景の「説得力」が何によって支えられているかといえば、それは、人間がその理知と技術によって自然を、より具体的には水の循環と植物の生態を巧妙に統制しようとしたその徹底性によってであろう。この風景にロマンティックなまなざしを差し向けることはいとも容易だが、われわれがまなざす対象の本質は、全くをもってロマンチシズムとは無縁である。そして、「自然」ともまたかけ離れたものである。


9月13日(日) 借庭からの秋景

37th week

2009-09-14 | Japan
9/7(月) インターンシップ、造園学会関東支部、千葉市パークマネージメントプラン共同研究、東金八鶴湖景観再生プロジェクト等の各対応。中野警大跡地防災公園基本設計にかかるワーキング会議を欠席。失礼いたしました>関係者のみなさま。

9/8(火) 新たに担当することになる後期の学部の授業「造園図学」に係る担当教員間の打合せ。終了後、授業準備のためのCADワーク。その他、翌日に予定されている千葉市パークマネージメントプラン共同研究に係る都賀西地区地元報告会の準備。金曜、土曜に予定されている東金八鶴湖景観再生プロジェクトに係る地元懇談会の準備等。

9/9(水) 午前中、JABEE実地審査に向けた準備。午後、千葉市パークマネージメントプラン共同研究に係る都賀西地区報告会(於 都賀自治会館)。昨年度の共同研究の成果の報告および今年度の進め方について千葉市役所、地元住民のみなさんと協議。

9/10(木) 午前中、院生、研究生との研究打合せ。月曜日に欠席してしまった中野警大跡地防災公園基本設計に係るワーキング会議をフォローするため新宿へ。終了後大学にもどり、院生の修論打合せ。

9/11(金) 翌日に予定されている八鶴湖の水質浄化と景観形成について考える地元ミーティングに備えて、本学M准教授に八鶴湖を視察してもらった。水質浄化の効果や方法について有益な助言をいただいた。お忙しいところ時間を割いていただきありがとうございました。


100周年記念事業を目前に控え、キレイになったフランス式庭園(千葉大学園芸学部)


弁天島より八鶴亭(千葉県東金市)

9/12(土) 八鶴亭にて開催された、八鶴湖の水質浄化と景観形成を考える懇談会「どうなる? どうする? 八鶴湖の景観」に参加。市役所、商工会議所、浄化プロジェクト会議、東金高校、東金を良くする会、城西国際大学街波通信社の各関係者、その他、議員さん、団体、住民の方々総勢30名以上のご列席を賜り、じつに有意義な意見交換の場となりました。


八鶴湖全景(千葉県東金市)

ただの1回、湖水を干しただけでこの有様(水生植物の繁茂)だ。生きている、まさに生きているとしかいいようがない。そして、この景観の動向に人々の暑い視線が、思惑が、利害が、記憶が投影される。

9/13(日) 日帰りで笠間。

36th week

2009-09-08 | Japan
月曜日、CAD実習のトレーニング。都市計画学会発表会論文の第二次審査とりまとめ報告書の提出。

火曜日、インターンシップおよびJABEE対応。早くも9月に突入。

水曜日、コンピュータ/ソフトウェア管理台帳の作成、地域貢献助成事業、満足度調査の学科別集計の各対応。千葉市パークマネージメント共同研究に係る打瀬3丁目公園アンケート調査報告会の準備。1号が通う学童保育所が新型インフルのため閉鎖。1号はピンピンしているが。

木曜日、大学が停電&断水のため、自宅で仕事。造園学会全国大会発表論文の登録。千葉市パークマネージメント共同研究に係る打瀬3丁目公園アンケート調査報告会の準備(昨日のつづき)。

金曜日、幕張ベイタウン・コアにて、千葉市パークマネージメント共同研究に係る報告会。打瀬3丁目公園のアンケート調査にご協力いただいた自治会連合会その他関係者のみなさん12名以上のご参加をいただきました。ありがとうございました。

土曜午前、造園学会関東支部主催の造園遺産見学会。今回は東京広尾のドイツ大使館庭園(作庭:飯田十基、昭和44年造園学会賞受賞)。朝早くから、デア大使直々にご案内、意見交換させていただき、非常に有意義な時間を過ごすことができた。感謝です。管理状態良好の雑木の庭は、至る所に魅力的な小空間を配しながら、全体としてもまとまりのとれたすばらしいもの。なだらかに傾斜する地形と、雑木、所々に設置された石像が庭園全体に柔和な雰囲気を醸し出し、芝生と流れが空間全体を引き締める/結合する作庭はみごとの一語。見学終了後、今回の講師にして飯田十基氏のお弟子さんでもあった廣瀬氏との食事会が予定されていたが、都市計画学会学術委員会のため、残念ながら失礼させていただいた。大岡山の東工大に移動し、発表論文の第二次審査判定。帰宅して笠間へ。


ドイツ大使館庭園(設計:飯田十基)

ドイツ大使館ホームページの庭園紹介 → ページは用意されているがコンテンツがまだ

日曜日、二週間ぶりの笠間。

8月のガルテン

2009-09-02 | 借庭日記

8月12日(水) オヒシバ Eleusine indica
ふふっ、憎めないヤツ!

夏は、草。
いねの科はさらなり。
畠もなほ。
青草の多く生い繁りたる。
また、ただ一つ二つなど、道ばたに健気に割り出でたるもをかし。
雨など降ると抜き易し。

               (蘇 格蘭「庭草子」より)


8月12日(水) この日の収穫。


8月23日(日) う~ん美味い之図。
感動して動けなくなっているところ。


8月23日(日) ゴーヤの果柄のなんたる細さよ。
これを構造美と言わずしてなんと言おう。


8月23日(日) 終わりゆく夏のアウラ