Sketch of the Day

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文部科学省著作教科書:農業310『高等学校用 造園計画』

2013-02-15 | Book Chapters and Books
高等学校用の教科書ですが、造園の基礎を学ぶ大学生にもお勧めの一冊です。
審査協力者の一人として審査作業に参加させていただきました。




第1章 造園計画の意義と緑地環境の役割
 第1節 生活と緑地環境
 第2節 造園計画と造園空間

第2章 環境と造園の様式
 第1節 我が国の環境と造園様式
 第2節 外国の環境と造園様式

第3章 造園製図と造園デザインの基礎
 第1節 造園製図の基礎
 第2節 造園デザインの基礎

第4章 庭園の計画・設計
 第1節 住宅庭園
 第2節 学校庭園
 第3節 屋上緑化

第5章 公園,緑地の計画・設計
 第1節 都市緑地
 第2節 農村緑地
 第3節 自然公園

索引
図例

280頁

平成25年2月15日発行
著作権所有:文部科学省
発行者:海文堂出版株式会社

定 価:文部科学大臣が認可し官報で公示した定価 

「公園デザイン学」今年度は終了しました

2013-02-06 | Classes
千葉大学園芸学部緑地環境学科
公園デザイン学 Theory of Public Park Planning and Design

担当:木下 剛(千葉大学大学院園芸学研究科)

授業概要
日本の都市公園のデザインとマネージメントについて、歴史的、制度的、技術的、芸術論的、職能論的視点より海外との比較を交えて検証します。

目的・目標
都市公園に関わる歴史と思想、計画・設計・管理に関する理論と制度、内外の画期的な取り組み事例等について学習します。その過程で、日本の都市公園の現状と課題を認識し、今後の在り方を展望するための視座や知識を習得します。

授業計画
1 10/3  現代日本の公園事情
2 10/15  公園は緑地か?
3 10/22  ヨーロッパの公園史:庭園から公園へ
4 10/29  続き
5 11/12  アメリカの公園史:社会資本としての公園
6 11/19  続き
7 11/26  日本の公園史1:制度としての公園
8 12/3  続き
9 12/10  日本の公園史2:緑地概念の導入とマスタープラン
10 12/17  続き
11 1/7  ゾーニングと公園施設
12 1/21  続き
13 1/28  公園づくりの担い手
14 1/30  続き
15 2/4  公園の再生とパークマネージメント

キーワード
都市公園(法)、公園施設、地方自治法、オープンスペース、緑地、都市緑地法、都市計画法、都市施設、公共空地、パークマネージメント

教科書・参考書
教科書は特に指定しません。授業の度に内容をまとめたレジュメを配付するほか、授業の初日に参考文献リストを配付します。このリストにもられている文献は受講にあたり併読をお勧めするものです。

評価方法・評価基準
出席はとりません。課題(レポートを2回ほど)の内容のみ(100%)によって成績を評価します。上記の「目的・目標」を理解し、適格な問題意識、データ収集力、分析・考察力、独創的な提案が成されているか等の諸点を評価の基準としますが、課題は授業に出席していないと考案できない内容とします。60点以上を合格とします。

関連科目
公園を含む広義の緑地一般を対象として、その概念や空間構成原理を理解し、計画設計、マネージメントにつなげていく諸技法・知識の習得を目指しているのが「都市緑地学」「都市緑地計画学」等の授業科目です。また、都市公園以外の公園を扱う「自然環境保全学」、「風景計画学」。公園緑地等の計画設計の実際を体験する「環境造園実習I~VI」があり、併せて受講をお勧めします。

履修要件
特になし。

備考
板書はしません。レジュメによる説明と、エポックメイキングな内外の実例を含むスライドを多用したヴィジュアルな講議に努めます。JABEE緑地環境学プログラムの学習・教育目標との対応:E。「学生による授業アンケート」は授業の最終日に実施する予定です。

今期を振り返って
今期は講義内容を少々いじりました。基本的な流れは変わっておりませんが、「外部不経済を内化するシステムとしての都市公園:公園ゴミ箱論試論」や「公園にはなぜ芝生広場があるのか:パストラリズムの系譜」、「自然環境の保全と都市公園:港北ニュータウン・グリーンマトリックス論」等々、応用的な内容は割愛しました。これらは今後、大学院の「広域緑地計画論」「エコデザイン論」への移行を考えております。以上を割愛した代わりに、歴史や制度の解説を充実させたほか、都市公園法第五条関係、立体公園、借地公園、民設公園、公園再生、パークマネージメント等々、近年の動向を補強しました。歴史の解説に多くの時間を割いたのには理由があります。それは、庭園→公園という連続史観で捉えられる西欧の状況と、庭園との連続性を欠いた、制度としての公園史にほかならない日本の状況とを対比的に理解することが、今後の公園のあり様を考えるうえで重要と思われるからです。近年の、住民参加型の公園改修やパークマネージメント論は、住民やユーザが、庭園(パブリックガーデン)としての公園を獲得するためのプロセスと捉えるべきではないでしょうか。