2022年8月28日(日)に開催された第16回水都東京・未来会議リレーセミナー「水辺のグリーンインフラ:河川や海とボーダーレスな緑の都市に向けて」に参加し、表題のタイトルで話題提供しました。私の発表は、1)撹乱としての洪水・高潮・津波、2)溢れさせる治水と親水、3)水量と水質の回復、の三題噺でした。今回は、水都東京・未来会議の委員である萩野一彦先生((株)ランドプランニング代表取締役、千葉大学客員教授)のお誘いで、竹内智子先生(千葉大学)と一緒に参加させてもらいました。
2022年7月22日(金)、一般社団法人防災学術連携体主催のWeb研究会に、日本造園学会社会連携委員会防災小委員会委員長の立場で参加し、表題の発表を行いました。造園学会からは他に社会連携委員会委員長の篠沢健太先生、同委員会防災小委員会前委員長の藤田直子先生が参加、「時空間スケールから考える復興・防災〜造園学からのアプローチ〜」(👈動画を視聴できます)という大テーマで研究会を行いました。
2022年6月11日(土)、NPO法人雨水市民の会主催の「下町✕雨・みどりプロジェクト:第3回ワークショップ NbSって何?〜雨とみどりを集めて、できることを考えよう!」に呼んでいただき、上記タイトルで講演しました。
2022年5月9日、日本学術会議公開シンポジウム・第13回防災学術連携シンポジウム「自然災害を取り巻く環境はどう変化してきたか」に、日本造園学会 社会連携委員会 防災小委員会委員長の立場で参加させてもらい、「生存のランドスケープ〜撹乱を受け容れるまちづくりとグリーンインフラ〜」と題して発表しました。造園学は災害を撹乱と捉える(捉えたい)!という話を皮切りに、L2津波の想定は撹乱を受け容れるまちづくりの布石!!であって、その具体的手段がグリーンインフラである!!!という三題噺をさせていただきました。
三谷徹先生にお声がけいただき、東京大学工学部建築学科でレクチャー「グリーンインフラによる水循環の再生」。たくさんのご質問、ありがとうございました。m(_ _)m
千葉市緑と水辺のまちづくりに関するWEBフォーラム〜これからの緑と水辺のまちづくりについて〜に参加させていただき、表題の講演をしました。策定中の千葉市新緑と水辺の基本計画「緑と水辺のまちづくりプラン2023(骨子案)」についての担当課からの説明の後、同計画策定委員会の会長を仰せつかっている当方の講演、副会長の押田桂子先生のご講演「緑と水辺の都市デザインを考える」を呼び水に、参加の市民の皆様と意見交換を行うという催しでした。このような、いわばオンライン型公開ヒアリングのような企画は初めての経験で、行政計画の議論の進め方の一手法として今後の可能性を感じたしだいです。
委員を仰せつかっている、グリーンインフラの社会実装に向けた緑の基本計画のあり方検討会(国土交通省公園緑地・景観課/都市計画課,プレック研究所)の第3回検討会(2022年2月22日オンライン開催)で、「英国のグリーンインフラ計画にみるニーズの評価と証拠に基づく政策立案(EBPM)の試み」と題して話題提供させてもらいました。ちょっと古いですが請われて英国リバプールのグリーンインフラストラクチャー戦略(2010年)と、大ロンドンのグリーンインフラストラクチャーフォーカスマップ(2018年〜こちらは現在進行形)を紹介。グリーンインフラ計画におけるニーズ評価の重要性についてお話しました。
日時:平成29年5月14日(日) 9:30〜12:00
場所:東京都公園協会 緑と水の市民カレッジ3階 みどりのiプラザ(日比谷公園内)
主催:玉川上水ネット未来遺産プロジェクト推進委員会
開会挨拶
(司会 鈴木 利博 氏 玉川上水ネット事務局長)
「玉川上水・分水網の保全再生を目指して」展示・講演に寄せて
公益財団法人東京都公園協会理事長 佐野 克彦 氏
「玉川上水・分水網の保全活用プロジェクト」の未来遺産登録について
玉川上水ネット代表 柴 俊男 氏
基調講演
1.「水循環の見える化と地域環境のデザイン:英国の取り組み」
講師 木下 剛 氏 千葉大学大学院園芸学研究科准教授
2.「緑と親しむ水循環都市東京を目指して」
講師 細見 寛 氏 元日本大学客員教授
意見交換会・質疑
(司会 谷下 雅義 氏 中央大学教授)
話題提供
「井之頭恩賜公園の100年と玉川上水」
田畑 貞壽 氏 千葉大学名誉教授
意見交換・質疑
--
私は、水循環を基調として、インフラ・文化遺産・生態系を統合する英国の取り組み事例を紹介し、玉川上水・分水網における水循環の保全・再生のあり方について考えてみました。講演内容は以下のとおりです。
1.インフラ・文化遺産・生態系の統合
・文化遺産としてのインフラ:運河の再生と歩道網の整備
・インフラと生態系の再生:生態系の機能を活用したインフラ
・文化遺産の保全と生態系:自然保護区としての文化遺産
2.水循環と土地利用
・撹乱を受け入れる土地利用:河川と公園の連携,氾濫原としての公園
・街路の再生と雨水の管理:インフラの多機能化
・住宅地における雨水の管理:インフラとしての住宅地
3.オリンピックレガシーと広域戦略
・オリンピック公園の戦略的意味:パイロット事業の重要性
・水と人の循環に資するインフラ:ヴィジョンの共有
・地域活動と広域政策:地域ニーズの反映
玉川上水・分水網の保全再生を考えるうえでの枠組みを、私は当初、図1のように考えていましたが、講演会終了後、辻野氏から水利システムが問題の中心であるというご指摘をいただき、図2のように修正してみました。
図1
図2
私は主にグリーンインフラ導入の意義や条件について、近年の研究の成果をふまえ話題提供いたしました。個人の自由な土地経営意図と生態系サービスの活用は本来矛盾するものではなく、そこにグリーンインフラが成立するということ。また、敷地の生態学的なポテンシャルを活かすとともに、地域社会のニーズにきめ細やかに対応していくという部分でまだまだ都市緑化の質をあげていける余地があること。その際、個別事業の単なる総和を超えて、より大きな効果が得られるよう、都市全体を見据え戦略的に取り組んでいく必要があることを指摘させていただきました。
座談会の記録は、公益財団法人都市緑化機構機関誌「都市緑化技術」No. 100,2016年6月15日発行,pp.4-18 に掲載されています。
日時:2016年2月5日
場所:公益財団法人都市緑化機構会議室
出席者(敬称略,所属は当時):
八色 宏昌 景域計画(株)代表取締役
松尾 俊彦 三菱地所(株)丸の内開発部 主事
町田 誠 国土交通省都市局公園緑地・景観課緑地環境室 室長
木下 剛 千葉大学大学院園芸学研究科 准教授
輿水 肇 明治大学農学部 教授(公益財団法人都市緑化機構 理事長)
司会 宮下 和正 公益財団法人都市緑化機構 専務理事
講演内容:都市のグリーンインフラストラクチャーとは何か、単なる緑地や緑化とは何が違うのか、インフラストラクチャーとしての緑に求められる機能や特性、今後の都市づくりに向けた可能性などについて、事例を通じて考えてみました。
発表会資料:公益財団法人都市緑化機構編『公益財団法人都市緑化機構研究成果発表会 都市緑化フォーラム2015~みどりが創る都市の未来~』,公益財団法人都市緑化機構発行,pp.1-3
日時:2015年11月22日(日)
会場:日比谷公園緑と水の市民カレッジ
木下剛・芮京禄(2015):ピンチポイントに着目した広域自治体レベルでの グリーンインフラストラクチャー計画の手法,平成27年度日本造園学会関東支部大会梗概集/事例・研究報告集,Vol.33,pp.65-66
橋本慧・木下剛(2015):リバプール市のグリーンインフラ戦略にみるニーズ特定方法と日本での応用に向けた試案,平成27年度日本造園学会関東支部大会梗概集/事例・研究報告集,Vol.33,pp.67-68
永井朝樹・金盛晋也・近藤真・小島侑李子・橋本慧・相原雄太・木下剛(2015):相模川流域周辺における千年村町字の分布特性と地形立地に関する研究,平成27年度日本造園学会関東支部大会梗概集/事例・研究報告集,Vol.33,pp.71-72
金盛晋也・永井朝樹・小島侑李子・近藤真・相原雄太・橋本慧・木下剛(2015):防災面からみた相模川流域周辺の千年村町字の立地の妥当性に関する研究,平成27年度日本造園学会関東支部大会梗概集/事例・研究報告集,Vol.33,pp.73-74
North park of the Queen Elizabeth Olympic Park, London, UK
以下はトピック
・日本におけるグリーンインフラ実現の枠組み
・グリーンインフラの経済的価値・社会的価値・環境的価値(アウトプット/アウトカム/インパクト)
・環境不動産としてみたグリーンインフラの意義
・雨水流出抑制に求められる空間的スケールとそのマネジメント
・その他
広域レベルでのグリーンインフラ導入方法としてのピンチポイントアプローチの意義について検討しました。
1.手段としてのオリンピック/パラリンピック
2.環境・経済・社会の持続可能性
3.グリーンインフラの視点