
『 終わらない夏 』 今年の5月この一冊を廻ってある高校球児の父と出会った。
その球児は甲子園にも出場したことのある今年高校3年生、最後の夏を迎えた。
そんな息子を持つ高校球児の父とのやり取りが始まり、如何に甲子園の土を踏む事が難しいか・・・
球児たちは甲子園を目指し日々どんな生活を送っているのか・・・
どのように親は接して行かないといけないか…
親の意識の高さ…そして父としての息子への想い。
私自身、高校球児を持たない親で、高校野球、高校球児というものを客観的にしか応援出来ていませんでしたが、
この方から、たくさんの事を学ぶ事ができ、また違う目線で高校野球、高校球児を見れるようになったきっかけを与えて戴きました。
残念ながら最後の夏、先日行われた地方大会準決勝、後一歩のところで甲子園の土を再び踏む事なく、その球児の夏が終わってしまいました。
同時に父の母校で息子が野球をし、甲子園に出場して欲しいと一心に応援し続けてきた父の夏も終わりを迎えました。
私自身、そのチーム、その選手には特別な想いで応援していたので、今年の夏、もう甲子園で姿を見ることが出来ないと思うと、
やはりやりきれない気持ちでいっぱいになりました。
最後の試合を終えた日、その選手の父から、今までその選手に関わり応援して下さった関係者の方へ送られた一通の文章を私にも送って下さり、
活躍する息子に対してあくまで一ファンとして徹し応援してきた父が、父に戻った瞬間の内容に胸が熱くなり…
父として、敢えて距離を一歩置かれ応援し続けた父が息子へ向ける気持ち、息子からの何物へも替えられない大きなプレゼントをもらった父の本音を、
ぜひご紹介させて戴きたくて、ご本人の了解を得て、今回ご紹介させて戴くに至りました。
最後の試合直後に戴いたその方の心境は残念という気持ちと、自分を応援し続けてくれた父への、
大きなプレゼント、3本のホームランを見せてくれた息子への感謝気持ちがこう綴られていた。
思い返せば息子と一緒に過ごした時間が懐かしくて昔の思い出が走馬灯のように頭を巡った。
夢を叶えてくれたこと、また夢は叶うと言うことを息子は身を持って示してくれた。
感謝しかない。
そしてその夜、息子を応援してもらった人たちへの、父からのメッセージを私にも届けて戴き胸いっぱいになってしまいました。
本日、残念ながら準決勝にて惜しくも 敗れ甲子園出場は叶いませんでした。
息子は今大会三本のホームランを放ちました。今日も打ってくれました。
息子が生まれて「絶対に母校に入れて甲子園に出場させる!」と心に誓いました。
初めてキャッチボールをした日、初めて少年野球の練習に参加して泣き出 したこと・・・
試合中、ボークを宣告され泣きながらマウンドを降りてきたこと・・・
その後の意地の二塁打。
シニア時代の苦しい環境の中、自分を一時も見失うことなく一生懸命練習したこと・・・
そして母校から入学許可が来なくて別の高校への進学を決め連絡しようとした時に母校から連絡があったこと・・・
正しく 運命の時間であったと思います。
私のせいで多大な迷惑を息子に掛けてしまいましたがこの大会の初戦、球場で会ったときに
「親父打つから!」と私に言ってくれたことは本当に嬉しくて泣きました。
今日で高校野球は終わりましたが野球は続けます。
多くの大学から声を掛けて頂いており進路をこれからゆっくりと考えることになります。
皆様には日頃から多大なご声援を頂きましたこと深く感謝致します。
今後ともよろしくお願い致します。
本当にありがとうございました。
どれだけこの夏に賭ける想いが父にもその球児にも大きなものだったか…
戦い抜いて結果負けてしまった息子に、父は『悔しさはあるけど、一生懸命やった結果。今までで一番冷静な気持ち』だと翌朝、話して下さった。
そして、期待の重圧から解放されたチームの選手全員に労いの気持ちも・・・
すでに大学進学、大学野球に向けて気持ちを切り替えたその選手は、また新しい地で父からの最大の応援を見方に付けて活躍してくれることを願い
私自身もまた、その選手を応援していきたいなと思います。
今回、この父からのメッセージを紹介したいとお願いするには、理由がありました。
やはり注目されているチーム、選手というものは、勝てば持て囃され、負ければあらゆる場所で非難中傷の言葉が飛び交います。
今回も同じく、私の嫌いな掲示板で、チームの中傷を多く目にし、心痛みました。
父も同じ言葉を目にし心痛められておられました。
こういうことは、実際球児を抱えた親や周りの人にしか分からない何かがあるのだという事を、
今回この方とのやり取りの中で感じ、自分自身憤りと悲しい気持ちになり、現場の本当の苦悩を感じて戴ければ
無限大にあるこんな非情な言葉が少しでも無くなればと思い、お願いした次第です。
ただ・・・あのひたむきに、ひとつの目標に向けて一生懸命戦い終えた選手や監督さんに対してどうして、よくがんばった、お疲れ様・・・ではなく何故批判になるのだろう。
何かに一生懸命になったことがないのだろうか・・・
全力で一緒に笑ったり泣いたりしたことがない人たちなのだろう。
本当に可哀想な人種だと思う。
このネットでの世界、自由な表現の場である事は百も承知している。
でも、そんな言葉を一心に夢を追いかけた選手や応援者が目にし、心傷付くことがないようになってくれればと・・・
そう思う願い・・・選手の皆さんには堂々と前を向いて進んで戴きたいと思う。
そして次のステップでの活躍をまた応援したいと思います。