「マルキン醤油」 さんの
天然醸造蔵は、「島宿 真里」 さんに向かう道沿いの黒い板壁(3枚目の写真)を
連ねた建物の中にあるようです。その板壁の上には窓があり、向こう側には煙突
も見えています。そこからあの柔らかい醤油のにおいが立ち込めていたのでしょう。
“醤油の香りというより諸味(もろみ)の薫り” と私が感じたのは、あながち間違い
ではなかったようです。
小豆島の中で
一番大きな醤油蔵であり、創業100年を超えた丸金醤油(現「マルキン忠勇」)さん
ですが、元々、一社から始まったのではなく、数社の醤油メーカーが集まって始めた
アライアンス企業のようです。ただ、長く建物や商品に使っている、金毘羅宮と同じ
「丸に金の赤いロゴマーク」 が誇らしく、どこに行っても目立っていますよね。
「苗羽(のうま)地区」 に
メインの建物があるのですが、少し北へ向かうと、「馬木(うまき)地区」 があります。
この一帯には醤油や佃煮の工場が密集していますので、「醤の郷(ひしおのさと)」
として、ロゴマークやパンフレットを作り、工場見学を受け入れたり、お土産館などを
開いて、町おこしや観光にも一役買っています。
「マルキン醤油記念館」 も
この 「醤の郷」 にあります。観光の方々にとっては、クルマで入るとすぐ駐車場が
ありますので、立ち寄りやすい施設です。
記念館の中は、
醤油のできる(作る)工程や流れを、模型や昔使っていた古い道具類を展示して
説明しているブースとお土産もののコーナーがあります。酒蔵のこうした施設には
何ヶ所か訪問していますが醤油蔵(工場)は初めてです。もちろん、工程の違いは
ありますが、おおよそ似通っています。改めて “日本文化” の繊細(緻密)さや
生真面目(一生懸命)さを感じます。
そして、
「醤油づくり」 そのものとは別に、その醤油づくりのための「道具(樽や桶、圧搾機
など)」 を見ていると、自分の中で何か物足りなさがあったものが少し見えたような
気がしたのです。例えば、「料理」 を作るための技術や食材の目利き、商売の方法
やビジネス戦略などには目を向ける昨今ですが、「道具」 に対する愛情が薄く、長く
愛着を持って付き合うとか、道具に工夫を施すといった風潮から遠ざかっている
ことに寂しさと危機感を感じるのです。
今回、
このマルキンさんの天然醸造蔵から立ち上る香りを感じなければ、醤油にこれだけ
興味を持ったかどうか ・・・ その仕込みに使う柄杓や櫂などの道具もしかりです。
今の時代だからこそ、ものづくりに必要な 「職人」 と 「道具」、そのあり方をもう一度
見直し(組み立て直し)、双方が必要性を感じて高め合い、“良いものづくりが行える
「環境」” が必要なのかもしれません。一つ言えることは、私たちも消費者として、
安直に 「安い」 「早い」 だけで 「もの」 を選択し、「日本のものづくり文化」 を衰退へ
追い込むようなことだけは避けなければならないということではないでしょうか。
「物産館」 では、
何と言っても、「しょうゆアイスクリーム」 狙いです。以前、どことは言いませんが
ある街場のお店で、醤油~醤油~したアイスクリームを食べさせられて、醤油嫌い
に拍車が掛かっていた私ですので、少し警戒感があったのですが、ここのは違い
ました。アイスクリームにまろやかな醤油の風味が合わさって、少しキャラメル
っぽい味わいがクセになります。しかも、そう甘ったるくはありません。OKです!
さて、
次はどこへ向かいますか ・・・
「マルキン醤油記念館」
〒761-4421
香川県小豆郡小豆島町苗羽甲1850
tel 0879-82-0047 fax 0879-82-6875
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