「号外」
“ 侍JAPAN連覇 !! ”
街では昨日、新聞各社がこぞって号外を出し、WBCでの日本チーム優勝の報道が
なされました。第一回の大会を制していた日本は、各国から追われる立場にあった
わけですが、そのプレッシャーを見事に撥ね除け、今回は2次Rで最強のアマチュア
軍団であるキューバを撃破し、準決勝ではベースボールの本場、アメリカチームを
点数以上の差で捩じ伏せて勝利し、アジア対決となった決勝の韓国戦は、5度目の
対戦(過去2勝2敗)となり、原監督の言葉を借りれば、“雌雄を決する戦い” と位置
づけた最終決戦となったわけです。そのゲームはもつれにもつれ、延長戦の末、
日本(侍JAPAN)が 5-3 で制し、WBC2連覇を達成したのです。
侍JAPAN、あめどでとうございます!
そして、選手スタッフの皆さんお疲れさまでした!
「第二回WBCを振り返って」
1次R は、韓国に敗れ2位通過となり、2次R では、B組1位のキューバと対戦し、
6-0 で完封しましたが、韓国に敗れたため、再びキューバと対戦しました。結果、
5-0 と2度目の対戦も零封、また、準決勝のアメリカ戦でも 9-4 というスコア以上に
やった感やられた感が両チームにはあったはずです。
パワーだけで勝てるような時代ではなく、また、ファンもそうしたベースボールだけで
満足するものではないということ、そして、“スモールベースボール” が良いとか悪い
とか、必要性・不必要の議論で終わるのではなく、どうすれば野球(ベースボール)が
一層、魅力的で面白いスポーツになるかを考え、発信する時期にきていることを
このWBCを通して感じた関係者も多かったのではないでしょうか。
例えば、対戦相手のデータをほとんど持ち合わせていなかったキューバチームは、
個々の能力に期待するという昔のベースボールスタイルに見えました。選手個々の
技術や身体能力も大事ですし、アピールすることも可能です。ただし、それだけでは
ファンが楽しめない時代になっているということ、そして何より、他のスポーツに比べ
れば、選手個々の役割分担での戦術化が可能なことは顕著であり、その魅力づけも
多岐にわたるものと判断できます。逆に言えば、野球の魅力をまだまだ出し切れて
いない現状があるということです。
どの国が、どこのチームが、勝ったとか負けたではなく、どんな野球(ベースボール)
がワールドベースボールを制するのか、といった視点で第3回大会が迎えられれば
良いと感じます。近年、日本でも野球離れが進んでいましたが、そうした視点に切り
替わることで活性化が起こり、一層ファン拡大もできるでしょうし、“野球選手(ベース
ボールプレイヤー)になること” に憧れる子どもたちも増えるのではないでしょうか。
「先発陣の頑張り」
決勝の韓国戦は岩隈(楽天イーグルス)が先発しました。当初、私はアメリカで
岩隈がいつも通りの力が出せるかどうかを心配しました(大きなお世話!?)が、
意外と冷静に対応し、登板した全ての試合で安定したピッチングを披露してくれ
ました。アメリカ戦での松坂(ボストンレッドソックス)も同様ですが、先発投手が
ゲームを作れれば日本の野球は機能することが立証された感があります。ただ
意外だったのが、ダルビッシュ(北海道日本ハムファイターズ)がいつもと違って
緊張していたのか冷静さを少し欠いていたようにも見えました。もう少し大きく腕を
振って三振を狙いにいってほしかったですね ・・・ 。
「中継ぎに課題?」
そして今回、中継ぎ投手が少なかったために、先発投手が長いイニングを投げる、
また、中継ぎにまわるというケースが増えていたのですが、その中でも杉内(ソフト
バンクホークス)がロングもワンポイントもこなしてくれたことが大きかったような気が
します。確かに、今の日本の野球でいえば、スターターやクローザーの力が無いから
“中継ぎ” という位置づけがまだまだ大勢です。全ての試合で先発完投という時代
でなくなってもう数十年が経過しています。そろそろ、中継ぎの待遇評価も含めた
抜本的な改善が必要かもしれません。
「最後はイチロー!?」
“強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強いんです” と岩村選手(レイズ)
が言っていましたが、そういう意味では、あそこでイチローだから打てたのではなく、
単に、“打ったのがイチローだった” ということだと私は思います。前回大会に続き
“イチロー中心のチーム” という風潮があり、原監督も当初、そうしたニュアンスで
話していましたが、イチローが1次R2次Rと不振だったことで、“チーム全員で!”
という言い回しに変化しました。( 今更ですか?そんなこと当たり前ですよ!ね。 )
しかし、最後はやはりイチロー! ・・・ ?
ただ、私はこのセンター前2点打を打ったことよりも、そのあとバックホームの間に
2塁へ進塁したこと、そして、またすかさず3塁へ盗塁したところにイチローらしさが
あったと思います。こういう野球(スモールベースボール?)こそが日本の得意な
ベースボールだと思いますし、今の少年野球をはじめ中高生には見習ってほしい
部分でもあります。( 先々を考えた段取りや動かしの野球で他国との差別化を! )
「監督の采配と結果」
私は2次R終了時、
まず、原監督が舞い上がらないこと、そして、イチローに期待するのかしないのか
ハッキリすることを提案しました。また、“イチローなら何とかしてくれると思った” 的
に首を傾げる顔つきは絶対にNG!それより、本人にプレッシャーを掛け、そして、
最後まで本人を信頼して任せろ! とコメントしました。決勝ラウンドに入って、
ようやく落ち着いた試合運び(采配)ができたのではないでしょうか。そしてそれが
結果(連覇)を生んだのだろうと感じました。良い選手(たとえばイチロー)だから
任せるのではなく、任せられる選手が良い選手なのです。もちろん、それがイチロー
だけなら今回の結果は無かったはずです。( もっと “侍” を信じろ! )
「解説陣の悲喜交々」
誰とは言いたくはありませんが、ある解説者(元巨人の投手?)も監督同様です。
結果だけを見て、言うことがコロコロ変わる ・・・ じんましんが出そうでした(笑)。
その点、佐々木氏(元マリナーズ)と清原氏(元オリックスブルーウェーブ)は、首尾
一貫した自身の野球観を中心に的確に解説していて心地良いものでした。特に、
清原氏は主張をしながらも、周囲に気を配り、視聴者に解り易く噛み砕いた解説を
していたのが意外で印象的でした。( M氏はポリシーをもっと持ちましょう! )
「MVPは妥当?」
松坂が前回大会に続き、MVPを獲得しました。本人も少し戸惑っていたようですが、
“アメリカに勝利した投手” にアメリカがプライドとして与えたという印象になります。
これってどうなのでしょうか ・・・ 。日本では、岩隈やダルビッシュの力投、杉内や
田中(楽天)のリリーフに賛辞を贈るファンの方も少なくないと思います。また、最後
にキメてくれたイチローに一票を投じたファンも多いでしょうし、青木・中島・小笠原・
稲葉・岩村・内川・川崎・片岡・城島、そして村田という野手の名前を挙げる方々も
おられるでしょう。私は大会を通して、裏方(スコアラー等)の力が大きかったように
感じましたので、裏方さんに一票!です。今の野球は情報戦というより、自他チーム
のデータ分析から具体的な戦略化・戦術化に繋げることが大きなポイントになって
います。その点もアジア2チームが若干リードしていたのかもしれませんね。
「阪神タイガースファンの怒り!」
最後になりましたが、やはり虎ファンとしては、球児の出番が少なかったこと、特に
決勝ラウンドに出なかったのは、調整状態やボールへの対応が不十分であったに
せよ、やはり寂しいものがありました。そして、岩田の使い方にも不満が残ります。
まさか、シーズンを見据えて原監督が ・・・ は無いと思いますが、虎ファンの心中は
穏やかではありませんよ。
「第三回開催決定?」
主催国アメリカは、今回の敗戦でへそを曲げて “もうや~めた!” と言うのかと
思っていましたが、リベンジすると表明(公式か非公式かは不明)したようですね。
ただ、次回の開催決定が現実であれば、ラソーダ氏(元ドジャース監督)の憮然と
した表情や審判の公平性、そして使用球の選択も含め、アメリカの上から目線は
改めてほしいものですよね。
さて、次回はどの 「侍(SAMURAI)」 が活躍してくれるでしょうか ・・・ 。
■ 虎視淡々 ■
WBCに入れ込んでいましたが、選抜高校野球(甲子園)や大相撲春場所(大阪)も
始まっており、関西は春本番を迎えているようです。プロ野球各チームも4月の開幕
ダッシュを目指してピッチを上げていることでしょうね。新聞でしか見ていませんが、
どうもタイガースが心配です。オープン戦の勝敗は気にする必要はないのですが、
問題は内容です。昨年以上の力強い方向性が見えてきません。何となくヤバい気も
します。本当に大丈夫なのでしょうか ・・・ ?
“真弓監督、ほんま頼んまっせ~っ! ガンバレ阪神タイガース!!”
第五大成丸
(Ⅰ) WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)’09
(Ⅱ) WBC第1ラウンド終了
(Ⅲ) WBC第2ラウンド終了
(Ⅳ) WBC侍ジャパンが連覇!