地平線の見える街 / 風
汽車はもう出ようとしてるのに
あいつと握手のひとつもできない
てれくさいものさ男同士なんて
明日から淋しくなるというのに
旅に出るのはいつもの気まぐれさと
笑いながら君は言う
今頃雪に眠る北の街で
夢を見て欲しいすばらしい友よ君はいつまでもさ
酒と涙の味が同じだった
あの頃はとてもよかったね
君はそのひげをそらないで欲しい
この街で暮らした思い出として
君の部屋は車の写真と
いくつかの地図に囲まれ
西の窓から黄昏れる頃
いつもきまってカリフォルニアの歌が流れて
きたものだった
君はいつもぼくに言ってた口ぐせのように
このせまい国のどこかにきっと
地平線の見えるところがあるとね
その目を輝かせて
作詞 作曲 / 伊勢正三
1976
■ 昭和譜心 ■
昔
故郷で
おなじ目線で
過ごした彼女や友人が
それぞれの道を歩み始めた頃
愚生も進路に思念を巡らせたのは事実
この曲を聴いて何かが変わったわけじゃないけど
心に突き刺さった棘のような違和感が
ほどけてゆくような心地良さが
あったのかもしれない
人生観とやらに
邂逅した
気も
・
・
・
第五大成丸