実家が引っ越すことになり 先月から時々実家に片づけをしに通っています。
その時、2冊のスケッチブックを発見しました。
私の高校は芸術の科目は 書道、音楽、美術から選択することになっていました。
ものすごく字の汚い私は 書道はないな、と・・・
3歳からピアノを習っていたので普通に考えれば音楽を選択するのがベストだったのですが 音楽は写譜といって 楽譜をペンで音符の太さまでそっくりに写す宿題が毎週出て大変だ、とウワサを聞いて それは勘弁かな、と止め、消去法で残した美術を専攻しました。
ところが 冷静に考えたら 私ってば習字以上に絵は下手っぴだったんです。
あまりのひどさに落ち込んでいたら 昔学校の先生をしていた父方の祖母が 元の同僚で美術の先生をしていた人がいるから その先生の所に通ったら?と言ってくれました。
そこで先生の所に通い始めて初めて描いたのが上のデッサンです。
紙製の箱と缶、形だってちゃんととれないのに 質感もだすように言われ四苦八苦したことを覚えています。
どうしても上手く描けなかった作品を最後の数分間で先生がちょこっと直してくださったら ちゃんと質感まで出た絵になりました。
先生!すごいですっ
まあすごいのは当たり前で当時の二科会の広島支部長をなさっていた増田勉先生なんですもの。
毎週日曜日に先生のアトリエには 40代の男性、50代の主婦、20代後半の女性、そして私と同い年で美術大学を目指していた女子高生と私が集まっていました。
静かで、真剣な雰囲気と穏やかな先生のお人柄で とても貴重な時間を過ごさせていただいたことはいまだに私の財産になっています。
で、私の絵の腕前ですが・・・
いくら頑張ってもこの程度でした。
でも、こうして当時の作品に出会え、16歳の私は私なりに頑張っていたんだなあ、と懐かしくなりました。