真庭郡久世町別所字吉念寺
御醍醐天皇が隠岐に流される途中に見て「綺麗・・・」と言われたことから醍醐桜と呼ばれています
のどかな山合いにただ一本だけそびえたつアズマヒガンという種類の樹齢1000年の桜の大樹
昨日のNHKで紹介されました
私も数年前の見に行き・・・その荘厳なまでに神々しい姿を心に刻んでいます
今の時期はお花見の客で落合インターから数珠つなぎになるくらいの混雑です
道のりは険しく坂・・・坂・・・坂で狭くて曲がりくねっていて・・・運転にはテクニックを要します
車は嫌になるくらいに少しずつしか進まず・・・あげくに遠いところから桜まで山道を歩かなくてはいけません
桜に近くなると近所の方による即売所が作られています
私が行った時には混雑しすぎていて、疲れて・・・買い物する気にもなれませんでしたが・・・
そこの村落の住民のお年寄りがテントを張って一生懸命いろんなものを売っているんですね
昨日の番組によると、その醍醐桜周辺に住む村落の人々は13家族27人・・・ほとんどが70歳以上の高齢者世帯です
苗字はみんな「春木さん」
この醍醐桜が植えられた1000年前から御縁のある方々で春の木という美しい苗字です
住んでいる周りは急な斜面の土地しかありません
懸命に畑を作り耕すお年寄りの姿・・・見ているのも大変そうです・・・日本の抱える地方の過疎高齢化の象徴です
みんな、息子や娘は都会に出たりして、「そこを捨てて都会へおいで」と誘われているそうです
でもどうしても桜の側を離れたくないというのです。村落のどこの家からも醍醐桜が見えます
醍醐桜のすぐそばまで畑があった時代もあり醍醐はその畑の栄養分を吸収して妖気を増していったみたいです
今では通路が出来て根を踏みつけられないように大事にされていますけど・・・
一年に一度桜が縁取り持ってくれる再会を励みにこの条件の悪い土地でも守り抜くんだという気概を春木さん達みんなが持っています
一度しか見たことがない私でも・・・その木を見た時には涙が溢れ思わず両手を合わせました
木から発する霊気というか・・・オーラ・・・何もかもすべてを包みこんでくれそうな優しさを感じて感激しました
それなら四季のすべてをずっと見守ってきた春木さんたちの心の奥にはいかばかりの醍醐桜への愛情があるでしょうか・・・
この桜とともに死ぬまで生きる・・・
それが春木さんみんなの気持ちです
1000年の日々の重み・・・1000年の悠久の時をじっとみてきた醍醐桜・・・
私もがんばって見に行き春木さん達の即売所で甘酒でも飲み・・・採れた野菜を買い・・・小さな思い出を醍醐桜と結びたくなりました・・・頑張れ醍醐桜・・・頑張れ春木さん・・・