よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

花の話

2005年04月30日 | Weblog
きれいな藤の花が咲いている、というニュースを母が知り見たいというので、父母を車に乗せて見に行った。

 普通の家の庭先の藤棚なのだが、まるでぶどうの房のように藤の花がたわわに「実のる」ごとくに咲いている。近所でも評判らしく、藤棚自体も真新しい三寸角の角材でしっかり作られていた。一度見たいものと思っていたものが、やっと見ることができた。あと何度見ることができるやら、と母。

 他日仕事に関係のある団体の懇親会で、地上14階の展望レストランに上がった。西に沈んだ夕日の余韻が縞状の雲に広がり、黄、赤、青、紫と刻々グラデーションが変化するのを眺めていた。
 年少の同業者が「先日あのあたりの林道を1100CCのバイクでぶっ飛ばした」と言う。1時間半くらいのコースの途中、ゴーグルの隅に山桜が咲いているのがチラリと見えたが、大きなバイクで林道を走ることに夢中で、ついに満開の桜を見上げることなく山を降りてしまった。あの花を見ることがまたあるのだろうか。
 ふたりとも、共通の知人で林道ツーリングが趣味だった先輩を思い出した。雪山にオフロードバイクで乗り込み、結局山にバイクを置き去りにして、春になって迎えに行った話を聞いた覚えがある。もう亡くなって何年もたつが、どこかこの西の空の下にまだいるような気がする。西方浄土、桜の花の下。

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