よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

大きな木の下で

2005年08月17日 | Weblog
自宅で飼っていた兎「もいの」が死んだ。12歳。兎としては長命だったと思う。

末っ子が幼稚園の頃、日曜市の終い際に買わされて、その頃はマンションの9階のベランダが彼の住まいだった。餌をやったり、ゲージの掃除をするときはベランダに放すと、草花の鉢をつついたりして遊んでいた。

数年して、ゲージに敷いてある新聞紙に血がついていて、下腹部から脱腸のように瘤がぶら下がっているのを見つけた。動物病院に連れて行ったが、瘤の中にまで血管が入っているようなので、切り取るのは危ないとのことだった。末っ子は自分が連れてきたので、兎の世話だけはよくしてきた。

それから2度引越しをし、今年の初夏、その瘤が自然に落ちていた。以前のように元気に動き回ることは少なくなっていたが、それでも身軽に動けるようになって喜んでいた。それが真夏日が続き、毎朝洗濯物を干すとき妻が覗き込んでも、ゲージの中でねころんだまま動こうとしない日が続いていた。

暑いのと忙しいのとで昼食を外で済ませて帰ってきてから、末っ子が、手足を伸ばしきって薄目を開けたまま眠るようにして死んでいるのを見つけたらしい。妻から知らせの電話があり家に帰ると、末っ子は兎のゲージのあるベランダに干してあった洗濯物を、この暑いのに鼻をすすりながらたたんでいた。

兎の亡骸を、実家の裏山の大きな木の下に埋めることにした。息子たちと穴を掘り、布団代わりに新聞紙を敷いて、その上に寝かせた。

せまい家なのに、ベランダだけはぽっかり穴が空いたように虚しくなってしまった。

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