土曜の午後、用事が早く終わり帰宅。
ビールを飲む前に少し運動を。
台風が近づいているので、明日は散歩もできないし、と。
運動靴を履き、家の外に出ると、西は真っ暗、東は晴れている。
台風は西にいて、北へ向かっているので、これ以上悪くはなるまいと、
東のほうへ歩き出した。
川端の土手を歩いていると、同じように歩いている女性がたたんだ傘を小脇に抱えている。
彼女は「真っ暗な西の空」を見ながら歩いているのだから、傘も持ちたくなる。人情というもの。
こっちは「晴れた東の空」を見ながら暢気なもの。
土曜の不安定な空模様の夕方。
用事に追われて車で走り回っている人はたくさん見かけるが、
歩いているのは、私だけ。
だいぶ、東へ来たので、
北を流れている別の川端に移ろうとする。
なんだか暗くなってきた。
振り返ると、南にあるはずの山の姿がぼんやりしている。
ぱたぱた、パタパタ、バタバタ、と雨粒が落ちてきた。
田んぼの中の道を歩いていて、隠れることも出来ない。
仕方ない、家の方向へ、あぜ道を走るはめに。
てくてく、とことこ、ぴちゃぴちゃ、チャプチャプ。
雨の中をこんな走るのは、高校生の頃しかなかったのでは。
あれから40年?
また?
バイパス道路に出て、車なら家まで5分。
なんとか走り通した。
妻が風呂を沸かしてくれていて、直行。
天気を見る目がない、
というより、天気に背を向けて、捕まっただけ。
運動にもなったし、風呂にも入ったし、
あとは、ビールに目がない。