先日銀河戦を観ていた。
森内九段対門倉五段である。
二転三転の形勢の末
最後の最後。
森内が相手の馬筋の王手に対し
持ち駒の金を打ち付けた。
門倉は(森内の玉に)もう詰みはなし。
自陣は受けなしだから
もはやこれまでと
「負けました」
と投了を告げたのだが。
なんと
投了図から
森内の玉は詰んでいたのであった。
21手詰めだからそれほど難しくない。
藤井五冠なら3秒で
発見できるレベルである。
具体的な詰み手順がわからなくても
王手をしてゆくうちに
「あら?詰んじゃったわ」
ということがよくあって
それがプロならば日常茶飯事である。
最後まであきらめないで
詰ましにゆけば
おそらく門倉五段の快勝譜だったろう。
将棋は人生に例えられる。
この将棋に学ぶことは
もうだめだ
と思える瀬戸際の場面でも
実はそうでもなく
むしろ
大チャンスかもしれないのだ。
「人生に投了したい」ひとが最近特に多いようだが
よくよく冷静になって状況を精査しなおしてみたら
あにはからんや
むしろ自分自身の
人生のチャンスかもしれないのだ。