なんでか知りませんが、えらく古いカメラがジャンクカゴに入っていてしかも割りと綺麗だったので連れて帰ってきました。調べてみるとkodak retina Ⅰtype010かtype148のどちらかだと分かったけど148なら第二次世界大戦前で010なら戦後ということです。
軍艦部の端が黒いのがtype148見たいですからこれは010ですね。本来フィルムカメラは守備範囲じゃなかったんですがなんかいい感じだったからつかってみましょう。ちなみにkodak retina Ⅰは現代と同じ35mmフィルムを使った最初のカメラなんですよね。一般的なフィルムを使うカメラじゃないとたっちゃんには使えないですから。
家でじっくりみて初めてシャッターが切れるのがわかりました。
レンズ部分が収納されて持ち運びしやすい形になります。ジャンクカゴの中でもこのレンズが収納された状態で転がってました。一部レザーが剥がれかけて、レザーの角の部分がこすれて茶色っぽくなってましたが。黒い靴用のワックスで拭いたら綺麗になりました。右側面にあるのが裏蓋を開けるレバーですね。
レンズ収納部の蓋にあるkodakのロゴの金属板は、縦位置に置くときの支えになります。
背面にはretinaと大きく書いてあります。retinaはアメリカのイーストマン、コダック社がドイツのカメラメーカーを買収して世界最初のパトローネ入り35mmフィルムを使うことを前提に開発販売したカメラシリーズでレンズ収納式なのも共通の特徴らしいです。戦前設計製造されたtype148に対して戦後の生産再開のため、ほぼ戦前のtype148のまんまで材料がないのでレンズブランドもさまざまで他の部品も仕様が色々あるようです。
レンズを収納していれば以外にコンパクトです。右の方にある大きな銀色のダイヤル状のものは絞りと距離被写界深度の関係を表示するものでkodak retinaのシンボルみたいなものだそうです。その左横の小さなボタンがレンズオープンのボタンです。もう左隅には三脚固定用のネジ孔があります。
この個体のレンズはmade in usaのEktor 50mm f3.5です。製造番号がEO7382ですから、NET上の情報ではレンズの製造年は1946年でたぶんこのカメラ本体も略同時期の製造品でしょう。でもCOMPURってなんですか?で調べたらレンズシャッターのことだったす。この個体はCOMPURなので最速でも1/300秒。Compur Rapid の個体もあって、こっちは1/500秒みたい。
縦置きでディスプレーできるこのカメラ。比較的当時としては購入しやすい価格設定だったと書いてあったような気がしたけど飾っておきたい高級品だったのかもっすね。でもジャンクカゴにあったのが嘘みたいに綺麗なんですけど。
綺麗だしシャッター切れるし普通のフィルムが使えるしで写真が取れるか確かめたくなりました。でも使い方がわからない。一番わからないのは、どうやってピントを合わせるのかってこと。パンフォーカスになってるのかなって思ったけど違うみたいだし今回は仕方ないので距離表示と自分の距離感を信じてやってみる(笑)
裏蓋はこれで開けます。けっこうしっかりしてます。
フィルムを入れる側のノブを引き上げます。てかフィルムの入れ方は、普通の日本製のフィルムカメラと変わらない。最初からある程度完成していたんですね。
ちゃんとフィルムの孔に合う部品もすでについてますここでフィルムの動きをひろって
この1~36のメモリがついた丸い表示板が1回転するとフィルムが1コマ分送られるようです。
これは確認用にフィルムを入れてみたところ。ごくごく普通に見えます。
フィート表示の距離絞り値、シャッター速度を決めてシャッター速度の表示の横のレバーを押し下げるとシャッターを切る準備OK.
近所の風景ですが、案外ピントは合ってるのかな?
粗いのはフィルムスキャナーがダメな子だから(笑)
ピントは怪しいですが、撮れますねー。
でも、ここまでクラシックだと被写体になってる方が、かっこいいです(笑)
追加で画像を載せて見ます。写真を撮った際、現像したネガをKenko KFS-500というフィルムスキャナーでデジタル化したんですが、このスキャナーがダメダメで画像は粗くなるし色も変になるしでkodak retina Ⅰtype010で撮った写真がこんなだと思われても嫌なので2枚だけカメラ屋さんでプリントした写真を通常のスキャナーでデジタル化したものも載せます。
色も自然だし、普通に撮れてるでしょ。
どうですか?