京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京町屋 右京(1) 旧邸御室、日新電機嵯峨野荘、堀江家住宅、上田家住宅、田中邸、聲々軒

2020-09-24 17:20:11 | 京都の町 町屋・建造物


 右京区は京都市の西部、桂川の東岸に位置しています。
 右京区南部は桂川に沿って広がり、ほぼ平坦な土地で、かつて平安の都に住む公家や皇族たちの別荘地でした。
 四条通以南は現在、概ね住宅地がひろがってます。
春は仁和寺の「御室桜」を愉しみ、夏は嵐山の新緑を愛で、秋は高尾の紅葉を眺め、冬は雪の嵯峨を借景とするといった四季に応じた景勝美を満喫できるスポットが数多いところです。
 私の好きな散策の嵐山嵯峨野、北嵯峨野、仁和寺など風情ある景色が多いところです。
 近年緑あふれる森林が占め、旧くから林業が盛んな旧京北町が右京区が合併し、京都市の区の中では最大の面積になりました。
 京都の町屋は少ない行政区で、2回で終わります。

旧邸御室 登録有形文化財
門及び塀 昭和前/1937頃 門 木造、瓦葺、間口3.5m 塀 木造、瓦葺、総延長62m1棟
右京区御室岡ノ裾町
敷地北面から西面北寄りを画す塀の北面に門を開いています。
門は切妻造桟瓦葺で、引戸は上部に桟を入れ、外面にナグリを施す意匠です。
北面、西面塀は真壁に瓦葺とし、土台を舟肘木状の部材で受けるなど、全体として特色ある意匠を備えています。










主屋  登録有形文化財
昭和前/1937 木造平屋2階建、瓦葺一部銅板葺、建築面積238㎡1棟
木造二階建、桟瓦葺で、一階は北東隅に玄関を開き、矩折れの廊下を南北に通してその西に12畳半の座敷と10畳を設けています。
廊下の東側は内向きの空間とし、二階には8畳3室を設けています。
意匠を凝らした座敷廻りなど、内外ともに質の高い近代和風住宅です。





床の間
北山杉を画いた軸と琵琶床には兜の置物





欄間









「庭鏡」





待合 登録有形文化財
昭和前/1937頃 木造平屋建、銅板葺、建築面積4.8㎡1棟
右京区御室岡ノ裾町5
茶室の西方に建っています。屋根は銅板葺で棟のみ瓦を積んでいます。
北に向けて腰掛を配し、その奥に一畳敷を置き、その西は壁に丸窓、東には水屋を設けています。
南流れの屋根垂木を丸桁で受け、奇木を用い、壁に台形の切込みを入れるなど、意匠を凝らした待合です。










茶室双庵  登録有形文化財
昭和前/1937頃 木造平屋建、瓦葺、建築面積23㎡1棟
双ヶ岡の北斜面に位置する敷地の、南東隅の小高い位置に建っています。
木造平屋建、桟瓦葺で、四畳半の東側に平床と主人席を配し、さらに東端に水屋を設けています。
茶室北面には付書院状の窓を開き、御室の風景を一望できます。開放的なつくりの茶室です。










茶室から見える愛宕山










日新電機嵯峨野荘 国登録有形文化財
本館 昭和前/1932 木造2階建、瓦葺、建築面積355㎡1
右京区嵯峨野宮ノ元町
舟底天井の廊下の東西に玄関や居室などを配し、南奥を大広間としています。
数寄屋を加味した造作の随所に銘木や古木を巧みに使用し、特に大広間での唐破風形天井の採用や、折上格天井への金唐紙貼付などに斬新さがみられます。上質で創意溢れる意匠のもと料亭建築です。

土蔵  登録有形文化財
昭和前/1932 土蔵造3階建、瓦葺、建築面積18㎡1棟
主屋北端に南北棟で建っています。
土蔵造三階建、桁行三・八メートル梁間三・七メートル、切妻造桟瓦葺で、東面の戸口に下屋を設けています。
外壁漆喰塗で鉢巻を廻らし、二、三階東面に窓を穿ち、鉄扉と庇を付けています。
小屋は和小屋で火打梁を設ける。料亭の面影を伝える土蔵です。

改修でしょうか、解体でしょうか。足場が組まれています。















堀江家住宅 国登録有形文化財
主屋 大正/1921 木造平屋建、瓦葺、建築面積121㎡1棟
右京区花園木辻南町
妙心寺南東の住宅地に建っています。
平屋,寄棟造,桟瓦葺で,座敷飾りを備えた2室続きの座敷,玄関と寄付,茶の間と台所の各部分を,矩折れの中廊下で連絡しています。
台檜を用いた上質な造りで,全て和室ながら独立性を確保した間取りに近代的な郊外住宅の萌芽が窺えます。










上田家住宅(町家ぎゃらりー妙芸)
国登録有形文化財、京都市歴史的意匠建造物
主屋 大正/1921木造2階建、瓦葺、建築面積139㎡1棟
右京区花園木辻南町 妙心寺道に北面して建っています。
施主は妙心寺出入りの大工で,その弟子が建設にあたったことが判明しています。
間口5間半規模,東西棟,切妻造,桟瓦葺の町家で,たちが高く,土間上部の架構も繊細で,大正から昭和にかけて普及した近代京町家の特徴をそなえています。



















田中邸
景観重要建造物
右京区 嵯峨伊勢ノ上町













聲々軒
景観重要建造物
右京区 嵯峨鳥居本六反町


















京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。









朝の散策 法観寺 八坂の塔、二年坂、三年坂、平安神宮大鳥居、岡崎疏水

2020-09-24 06:14:15 | 京都めぐり


 春のコロナ感染拡大以降、清水寺や二年坂周辺は閑古鳥が鳴いたように観光客が減りました。
先日の彼岸の連休中は清水寺や二年坂付はマスクを着けた観光客でごった返していたそうです。
やっと観光客が戻ってきたようですが、これが長続きするかは感染次第でしょうか。

 朝ぶらっと八坂の塔から平安神宮大鳥居まで散策しました。

法観寺 八坂の塔 7時半

























二年坂





三年坂









平安神宮大鳥居









京セラ美術館









疏水






京の町屋 左京(4)駒井家住宅、瓢亭、聖護院、聖護院八ツ橋総本店、西尾八ツ橋、白沙村荘

2020-09-23 20:11:47 | 京都の町 町屋・建造物


京都の町屋、左京区の第4回です。
左京区はこれで終了です。

駒井家住宅(1927,昭和2年)
国登録有形文化財
当時アメリカで流行していたスパニッシュ様式、設計はヴォーリズ建築事務所
駒井卓、静江記念館として保存されています。
左京区北白川

















瓢亭
京都を彩る建造物選定番号第1-021号   
 400年余り前,小さな腰掛茶屋として開業し,天保8年(1837)から料理屋に。建物はくずやと呼ばれる茅葺き屋根の座敷で,庭園は植熊作。











聖護院
書院:国指定重要文化財(建造物)聖護院旧仮皇居:国指定史跡
京都を彩る建造物認定番号第31号
 もと天台宗に属し,修験道本山派の本寺として知られている。白河上皇の皇子静惠法親王の入寺以来,門跡として続いた寺院で,御所炎上の際には仮皇居となった。延宝3年(1675)の大火により現在地に移転し,本堂,宸殿,庫裡,書院等が造営された。御所から下賜されたと伝えられる書院は,床,棚,書院などの細部に御所風な気品があり,外観は南と東側に土庇をまわし,木連格子の妻飾のある入母屋造ながらむくりをつけている。修験道及び門跡寺院としての歴史や建物にも由緒がある。






聖護院八ツ橋総本店 
京都を彩る建造物選定番号第3-004号   
左京区
 元禄2年(1689)にこの地で創業した。近世筝曲の開祖といわれる八橋検校が葬られた黒谷金戒光明寺の参道に茶店を設け,検校の遺徳を偲び,琴の形を象った干菓子を「八ッ橋」と名付け販売したのが始まりと言われている。明治には多くの文豪が訪れた。










西尾八ツ橋
















白沙村荘
日本画家、橋本関雪











京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。





 


秋の花 リコリス、彼岸花、白花彼岸花

2020-09-22 20:09:42 | 2020 花


 今日は秋分の日、これで連休も終わりです。
毎年この頃には、あちこちでリコリスや彼岸花が咲き乱れます。

リコリス
東アジアの広い範囲に10数種~20種が分布する球根植物です。
日本では秋の彼岸花が有名ですが、リコリスの品種です。
夏水仙やキツネノカミソリも同様です。











































小彼岸花










彼岸花














白花彼岸花(白花曼珠沙華)

























萩の寺 常林寺と梨木神社

2020-09-22 08:01:36 | 2020 花


萩の寺常林寺もここにきて、萩が見頃開始になりました。


























































梨木神社
境内には約500株のハギが植えられており、別名萩の宮とも呼ばれています。
ただ今年は開花が遅れています。
例年この時期は萩まつりが開催されますが、今年は神事務のみになりました。









社務所
アマビエ御朱印が人気のようです。
朝から列ができていました。













本殿





染井の水
京都三名水の一つで、唯一現存している井戸です。

































梨木神社の萩の見頃は月末近くでしょうか。


連休で嵐山の観光客大幅増加、北嵯峨野の彼岸花見頃

2020-09-21 15:53:42 | 京都めぐり


 本日は全国的に観光客が増えたようですね。
コロナ感染が増えた4月以降、京都の観光地はどこも閑古鳥が鳴いていたのですが、この連休でやっと戻ってきました。
嵐山の人出は先週比249%、前年9月休日よりも78%も増えたそうです。
テレビの生中継を見ていると、渡月橋やお店は観光客でいっぱいです。
嵐山だけでなく、清水寺や金閣寺などの観光地も観光客が増えています
このままコロナ感染者が落ち着き、紅葉シーズンに繋いでほしいものです。

北嵯峨野の彼岸花です。









今年は稲刈りが早く、終わった田んぼが多くなりました。









連休中には稲刈りも終わりそうです。









畦道の彼岸花 
見頃は連休明けです。













































コスモス












伊勢斎宮・源氏物語旧跡・野宮神社、竹林の道

2020-09-20 16:20:29 | 京都めぐり


 昨日連休初日の嵐山嵯峨野散策の続きです。
 伊勢斎宮・源氏物語旧跡 野宮神社
 野宮はその昔、天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王が伊勢へ行かれる前に身を清められたところです。
嵯峨野の清らかな場所を選んで建てられた野宮は、黒木鳥居と小柴垣に囲まれた聖地でした。
その様子は源氏物語「賢木の巻」に美しく描写されています。
嵯峨野巡りの起点として多くの方が訪れ、えんむすびの神様、子宝安産の神様として知られています。

























多くの願旨が奉木されています。









駒札





正式名称は竹林の小径です。
時間は8時過ぎ、少し観光客が戻ってきています。
































大河内山荘














連休初日の嵐山渡月橋 保津川 星のや京都

2020-09-20 06:20:06 | 京都めぐり


秋の彼岸の連休初日(昨日)の嵐山渡月橋です。
時間は7時です。

嵐山渡月橋





法輪寺





渡月橋と愛宕山





渡月橋から愛宕山





大堰川





渡小月橋













保津川































亀山公園展望台から嵐山保津川





展望台





保津川 星のや京都 大悲閣 千光寺













星のや京都
 








撮影時は観光客は映らないようにしていますが、少し観光客が戻ってきているように思います。