京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京町屋東山(13)川勝総本家、藤菜屋高台寺、元奈古旅館、萬治郎、高台寺和久傳、福地家、そわかHOTEL

2020-09-11 19:39:13 | 京都の町 町屋・建造物


京都の町屋、東山区第13回です。
これで東山区は終了です。

川勝総本家





藤菜屋高台寺





元奈古旅館





萬治郎





高台寺和久傳





福地家





そわかHOTEL









京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。




洛北妙満寺と深泥池

2020-09-11 05:55:51 | 京都めぐり


 洛北妙満寺です。
 春枝垂れ桜やツツジ、サツキが美しく、私は毎年訪れています。
 今の季節は花が少ないですが、京都市内ではほとんどみたことがない仏舎利塔を見にいってきました。


















本堂





仏舎利塔
インド・ブッダガヤの大塔を模したそうです。


























大方丈





百日紅





ここは比叡山の借景がきれいです。
この日は逆光が強く、以前撮影した画像です。





深泥池
京都盆地の北にある周囲1.5km,面積9haの小さな池で、西日本の平坦地では珍しい浮島があります。
氷河期以来の動植物が今も生き続けるとともに多くの水生植物,昆虫,魚類,野鳥等がいます。
この池の水生植物群落を保護するため,昭和2年に国の天然記念物に指定され、昭和63年には生物群集全体が対象になりました。





周囲1.5kmの池です。





タヌキモが群生していました。
これも全国的に少なくなっています。水質の悪化、マニアによる採集が原因のようです。
北方系の遺存分布と考えられ、学術的にも貴重な植物です。京都府内の自生地は2~3か所です。
環境省カテゴリーでは準絶滅危惧(NT)、京都府カテゴリーは絶滅寸前種です。
ジュンサイやヒメコウホネの生育水域に繁殖し,初夏から初秋にかけて黄色の可憐な花を多数のぞかせています。






















嵐山を愛した画家、嵐山の景色

2020-09-10 06:31:41 | 京都めぐり


 嵐山は国の史跡、名勝に指定され、桜や紅葉の名所でもあります。
日本さくら名所100選、日本紅葉の名所100選にも選定されています。
嵐山を愛した画家が描いた作品を紹介します。

富田渓仙『嵐峡晴朗図』 1930年
[1879~1936]日本画家。福岡の生まれ。
狩野派・四条派を学び、のち富岡鉄斎に私淑。
南画の雅趣を根底に自由闊達な画風を示した。作「雷神風神」など。














横山大観『嵐山図』 1945年
日本画の巨匠、大観の作品です。
桜の嵐山です。









沢部清五郎 1884 - 1964 
『 嵐山 』 大正期

大正・昭和期の画家,装飾織物デザイナー 元・川島織物取締役。
出生地京都市上京区西陣
学歴〔年〕聖護院洋画研究所(現・関西美術院)
経歴13歳で日本画を学ぶ一方、装飾織物の川島甚兵衛に画才を認められ織物関係の仕事にも携わる。20歳の時聖護院洋画研究所(現・関西美術院)に入り、梅原龍三郎らと洋画の研さんを積む傍ら、宇治の平等院や金閣寺の壁画の模写に取り組み古典美にも開眼。明治43年から3年間米国やパリに滞在し西欧の装飾芸術にも理解を深め、大正2年帰国後は皇居を飾る壁掛けの大作や国会議事堂の室内装飾を手がけるなど、主に装飾織物デザイナーとして活躍。川島織物取締役を務めた。





私の好きな嵐山渡月橋 長月

































渡月小橋





保津川方面に歩いて行きます。















今回もエメラルドグリーンの水面がきれいです。







































星のや京都の舟付場





















帰り道

秋の七草の一つ、葛の入ろう



































比叡山と渡月橋







京町屋東山(12)清水製陶所、藤菜美、喜楽庵岡本、くろちく、港屋、奥丹清水、二井三

2020-09-09 17:53:28 | 京都の町 町屋・建造物


京都の町屋、東山区の第12回です。

清水製陶所





藤菜美 京だんご













喜楽庵岡本






くろちく





港屋















奥丹清水
京都を彩る建造物認定番号第72号
奥丹清水は,醤油醸造で財を成した石橋氏別邸を引き継ぎ,総本家ゆどうふ奥丹の清水店として,昭和50年代にこの地に開業された。産寧坂に面し高低差に富んだ敷地には,大正2年(1913)建築の座敷棟を中心に,大正~昭和初期の建築と推定される離れ棟,小間棟,洋館棟が配されている。座敷棟は,木造2階建て入母屋造銅板葺の数寄屋風の建物,洋館棟は木造平屋建て切妻造洋瓦葺で,スペイン瓦風の洋瓦やタイル張りの外壁など,内外観ともにスパニッシュなどを取り入れた質の高い洋風意匠となっている。また,開業時に作庭され,「錦翠の庭」と名付けられた広大な庭は,傾斜を活かし,石橋を渡した池や燈籠,楓を中心とした広葉樹を配する池泉回遊式となっている。大正から昭和初期に南禅寺界隈から東山一帯に展開された別邸の遺構として貴重であり,高塀と塀越しに見える樹木や建物は,産寧坂の歴史的景観の形成に重要な役割を果たしている。






二井三





京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。









長月の今熊野観音寺

2020-09-09 06:33:19 | 京都めぐり


 長月の今熊野観音寺です。
 東山三十六峰のひとつ今熊野山に建つ泉涌寺の山内にあり、西国三十三所第十五番観音霊場です。
ここは秋、カエデが多く境内が深紅に染まります。
紅葉シーズン中も東福寺に近いですが、それほど混雑することがなく、穴場的存在です。
紅葉と鳥居橋や、本堂前の「ぼけ封じ観音さん」などの景色が好きでちょくちょく訪れます。
まだ9月ですから、紅葉はまだま早いですが、少しずつ色変わりしつつあるのがわかります。


鳥居橋













本堂と医聖堂























少し色がわりしつつあります。




本堂
秋の彼岸法要が21日に行われます。
まだ残暑が厳しいですが、もう季節は秋、彼岸近しです。





創建時の三重石塔
平安時代初期の弘仁3年(812年)に嵯峨天皇からも支援を受けて諸堂を造営し、天長年間(824年 - 833年)に完成したとされてますm
平安時代の後期には、紀伊国熊野の熊野三山に対してこの地を今熊野と称し、白河法皇の時代に今熊野修験の中心地として栄え、寺名も東山観音寺と呼ばれるようになったそうです。
かなりの年月を経た三重石塔です。





ぼけふうじ観音





大師堂

















コロナウィルス退散祈願の即成院






初秋の山野草 松村草、葉黒草、コムラサキ、オトコエシ、着せ綿、巴草、雁金草

2020-09-08 18:09:23 | 2020 花


 初秋の山野草です。

マツムラソウ(松村草) イワタバコ科
環境省カテゴリー 絶滅危惧種
石垣島、西表島、台湾、中国南部に分布









ハグロソウ(葉黒草)
日本では関東より西(南)にしか自生しないと言われている。





コムラサキ(小紫)





オトコエシ(男郎花)





キセワタ(着せ綿)
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の草原や草地に生育する。





マツカサススキ(松毬薄)
京都府カテゴリー絶滅危惧種
1990年代以降、生存が確認されたのは京都府内で6か所。





トモエヲウ(巴草)
北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や河川敷の日当たりのよい草地に自生する。





トウテイラン(洞庭藍)
京都府カテゴリー絶滅危惧種
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
日本海側の海岸近くに分布している日本固有の宿根草。





カリガネソウ(雁金草)
北海道、本州、四国、九州の山地に自生する。









ゲンノショウコ(現の証拠)
北海道の草地や本州から九州の山野に分布する。





フシグロセンノウ(節黒仙翁)
日本の固有種で、本州・四国・九州の山地の林下などに自生する。





ユキミバナ(雪見花)









ヒヨドリバナ(鵯花)
キク科の多年草。日本各地の林道の脇、草原や渓流沿いなどの日当たりの良い場所に自生する。ヒヨドリが鳴く頃に開花することから、この和名になったとされる[。
フジバカマに似ている。





ホトトギス(杜鵑草)









南蛮ギセル
ナンバンギセルは他の植物の根に寄生して、そこから養分を取りながら生育する寄生植物です。
寄生するのはススキ、ミョウガ、ギボウシなどです。
名付けは昔南蛮人と呼ばれていた船員が使っていたパイプに似ているという理由だそうです。
万葉集では「思草(おもいぐさ)」の名前で登場しており、古くから日本で親しまれていた植物です。





ツユクサ








北嵯峨野の黄金色の田んぼ

2020-09-08 06:24:31 | 京都めぐり


 先日訪れたばかりですが、青空に誘われまた足を運んできました。
黄金色の田んぼが美しい景色を見せてくれます。
 そろそろ稲刈りも始まりそうです。




















サギが田んぼに出てきました。





オオケダケ





女郎花





ニガウリ









ムクゲ





コンバインが見えます。
そろそろ稲刈りでしょうか。




ザクロ





広沢池














黄花コスモス




























京町屋東山(11)まいこと、やました、清峯堂、松韻堂、二軒町屋、京白川、香舗松栄堂

2020-09-07 18:37:48 | 京都の町 町屋・建造物


京都の町屋、東山区第11回です。

まいこと









やました





清峯堂 古美術





松韻堂
創業安政二年(1855年)





二軒町屋





京白川










香舗松栄堂
産寧坂店は、2000年夏、清水寺に程近い東山の自然に囲まれた「青龍苑」にオープンしました。
当地は清水寺の北に位置し、古くは木下長嘯子(勝俊 1569-1649)の隠棲の地であったことが知られています。
桃山歌人・木下長嘯子は豊臣秀吉の正室北政所の甥にあたり、儒家の林羅山や茶人、また小堀遠州ほか、多くの公家らと交流し、和歌は古今伝授をなした細川幽斎に学びました。この地が近世から近代にかけて書画や茶会等の舞台として多くの墨客を集め、古くから文芸的な雰囲気に包まれていたことに由来し、苑内には草庵形式の茶室も見られます。 
















京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。






妙蓮寺の芙蓉 

2020-09-06 06:08:01 | 京都めぐり


 妙蓮寺の芙蓉第二弾です。
 フヨウ(芙蓉)はアオイ科フヨウ属の落葉低木、沖縄、九州・四国に自生し、夏から初秋までピンクや白の花をつけます。1日花で毎日次々と開花します。
 スイフヨウ(酔芙蓉)は朝咲き始めた花弁は白いが、時間がたつにつれてピンクに変色する八重咲きの変種です。色が変わるさまを酔って赤くなることに例えたもの。
 妙蓮寺の芙蓉は、酔芙蓉が目立ってきました。

総門
























境内









酔芙蓉













寺務所





酔芙蓉





















ススキ













京町屋東山(10)梅花堂、もみじや、華扇、谷口清雅堂、 七味屋、安田陶器店、満月

2020-09-05 17:57:22 | 京都の町 町屋・建造物


京都の町屋、東山区第10回です。

梅花堂





もみじや





華扇





谷口清雅堂





七味屋
およそ360年前の明暦年間(1655~1659)に、この地に暖簾をかけました。当時は『河内屋』と号し、茶店を生業とし、清水まいりの皆様にお立ち寄りいただいていました。
その折におだししていた『からし湯』が評判を呼び、いつしか七味唐がらしを商うように…。





安田陶器店





満月





京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。