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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

猫語の教科書

2006-07-11 18:04:49 | 読書
ある日の朝、編集者の家の玄関に届いた分厚いタイプ原稿。
文字と記号の入り混じった不思議な文は、どうやら人間の指ではなく、動物の前足がタイプのキーをたたいたために周りのキーもプリントされたことによるもののようだ。
ポール・ギャリコによって解読された原稿は、
「まだほんの子供のとき、母を亡くすという不幸にあって、私は生後六週間でこの世にたった一人で放り出されてしまいました」
第1章 人間の家をのっとる方法は、こうして始まる。

「乗る」と「取る」がいっしょになった「乗っ取る」という言葉、
私たち猫が人間の家に入り込むときに使うのに、これほどぴったりの言葉がほかにあるかしら。
だってたった一晩で、何もかもが変わっちゃうんですもの。
その家も、それまでの習慣も、もはや人間の自由ではなくなり、以後人間は、猫のために生きるのです。

やっぱりそうだったんだ!
先日読んだ「猫にかまけて」や、猫好き作家さんの本で感じていたことは、まさしくこの「乗っ取り」
たまに、権力症候群の犬がテレビで紹介されるけれど、この本を読むと猫にはまだまだおよばないなー。

「猫語の教科書」 ポール・ギャリコ