帯には著者の言葉、「ぼくのミステリーの最高到達です」
春先の河川敷で、母と子の水難事故があった。
連絡を受け救急隊員が駆けつけたとき、横たわった二人に人口呼吸を施していたずぶぬれの男性は夫だった。
気の毒な水難事件だと思われていたが目撃者の通報により、一転犯人として逮捕されることとなるのだが、あっさり自供した動機は「本を置く場所に困って妻子を殺した」だった。
常人の理解を絶する動機に強く興味を覚えた小説家である私は、あえてノンフィクションという未知のジャンルにあえて挑むことになる。
いつも穏やかでやさしく微笑をたたえているエリート銀行員、誰もがいい人だと口をそろえて言う仁籐とは一体どんな過去を持っているのか。
あっ、こんな時間だ。
小説家である私と一緒に過去をさかのぼっていく過程に引き込まれ、先が読みたい気持ちを残しつつ就寝。
楽しみな読書タイムでしたが終盤予想していたとおりの展開に、ここまでグイグイ引っ張ってこられたのでがっかり感はぬぐえない。
これを最高到達とは・・・
歯がゆいけれど、感じた核心部分を書けないのがミステリー。
まだ今年始まったばかりなので、今月の一押し。
「微笑む人」 貫井 徳朗