モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

バラの野生種:オールドローズの系譜⑤

2008-12-02 10:14:11 | バラ
モダンローズの祖先: カタログその3 (Final) 

前回は、モダンローズの祖先としての基本種を
その1では、3品種(R.ガリカ、R.ダマスケナ、R.アルバ)
その2では4品種(R. ケンティフォーリア、R. フェティダ、中国のコウシンバラ、日本のノイバラ)を紹介した。

最後は、日本原産のテリハノイバラだが、
残念ながらルドゥーテ『バラ図譜』には影も形も見当たらない。

鈴木省三著『バラ花図譜』(1996年小学館)では、モダンローズの親を8種としているが、
もう1種を追加しておきたい。それは、ムスク系ローズの親となる“ロサ・モスカータ”で、
野生種が発見されていないという不思議さがある。

江戸時代末期の日本の園芸環境は、世界一といってよいほど庶民にまで植物を生活に取り込んで
愉しむということが出来ていたようだ。
しかし、自然に手を加え人工的に加工するという発想がなかった日本では、
人為的な交配で種を開発するというアクションが弱かったことは否めない。

1800年代前半のジョゼフィーヌのマルメゾン庭園は、「素晴らしい」発想を持っていた。
といえるだろう。

8.テリハノイバラ(日本)
Rosa wichuraiana Crepin ロサ・ウィクライアーナ


※写真の出典:『身近な植物と菌類』http://grasses.partials.net/

・和名テリハノイバラ、英名Memorial Roseメモリアルローズ
・日本原産で海岸や明るい山の斜面に自生する。
・葉が照り輝くことから名前がつく。別名ハマイバラ、ハイイバラ
・花は純白で、花径3-4cm、花弁数は5枚。花弁の先はへこみ、倒卵型で平開する
・雄しべは黄色で数が多い。
・甘い香りがする。
・花は円錐花序で10数個つく。
・茎は地をはって伸び鉤状の刺がある。
・19世紀フランス・アメリカに導入され、改良されて現在の観賞用つるバラの基礎を作る

9.ロサ・モスカータ(中国)
Rosa moschata Herrmann ロサ・モスカータ

※ビジュアルは、Rosa Moschata

・中国南西部、ヒマラヤ原産といわれる。
・花は純白色、花径3-5cm、花弁数5枚、一日花
・うめ、サクラに似た花形
・四季咲き性
・香りはムスク系で濃厚
・つる性で2m。グランドカバーとして利用される。
・優れたにおいと遅い開花という特色があり、ハイブリッド・ムスクの園芸種の親
※野生種は発見されていずミステリアスなバラだが、16世紀の文献に記録されている。

参考・出典
・鈴木省三著『バラ花図譜』(1996年小学館)
・ジョゼフィーヌのバラを描いたというルドゥーテ『バラ図譜』(1817-1824)
出典 http://www.cstone.net/people/hughest/index.html
・テリハノイバラ
写真の出典:『身近な植物と菌類』http://grasses.partials.net/

(オールドローズの祖先8+1カタログー完ー)

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