(写真)タカサゴユリの花
水も肥料もやらないで放置していた植木鉢にいつのまにか進出し、「タカサゴユリ」の花が咲いていた。
開花も1ヶ月以上も遅れているので、悪環境にもめげずに自己を主張する生命力が強いユリであることは間違いない。
1840年頃にヨーロッパに紹介されてセンセーショナルな話題を取った、沖縄・奄美諸島に自生する「テッポウユリ」と似ているが、「タカサゴユリ」の場合は、花の外側に赤褐色の帯が入っているので違いが良くわかる。
キュー植物園最後のプラントハンター:オルダム
この「タカサゴユリ」は、日本には大正時代に入ってきたようだが、このユリを採取したのは、キュー王立植物園から派遣されたオルダム(Richard Oldham 1837-1864)で、1864年台湾のフォルモサで採取した。
キュー王立植物園では、世界の植物を収集するためにジョセフ・バンクス卿(Sir Joseph Banks 1743 -1820)の時から組織的にプラントハンターを世界の各地に送り出した。最初のプラントハンターだったのがフランシス・マッソン(Francis Masson 1741-1805)であり、1772年7月13日にプリマス港をレゾルーション号で出港し南アフリカ喜望峰を目指した。
そして、キュー王立植物園最後のプラントハンターとなったのがキュー王立植物園の庭師であったオルダムであり、1861年から1863年まで日本に滞在し、日本の植物の標本を多数キュー王立植物園に送った。
日本では、1861年に長崎、西日本、横浜周辺で植物を採取し、1862-63年には小笠原諸島で採取した。1864年には台湾で採取しこの中に「タカサゴユリ」が含まれるが、この年に27歳という若さで死亡した。
オルダムは若死にしたために植物学者として名を残す東アジアの植物誌を残せなかったが、彼が採取した植物の標本は、シーボルトの『日本植物誌』第二巻を完成させたライデンの植物学者ミクェル(Friedrik Anton Willem Miquel1811―1871)によって研究され、ミクェルの著書「日本植物誌試論」に引用され、ヨーロッパでの日本の植物の研究を進化させる貢献をした。
(写真)30cmぐらいの小柄なタカサゴユリ
高砂ゆり(台湾ユリ)
・ ユリ科ユリ属の多年草。関東以西では越冬する耐寒性がある。
・ 学名はLilium formosanum。英名は、Formosa lily, Taiwan lily。
・ 原産地は台湾で、繁殖力が強く日本各地に帰化しテッポウユリとの交雑もあり区別が難しい。
・ 世界で96種類のゆりがあり、日本では15種類のゆりが自生。
・ 耐寒性に強いが、高温多湿は苦手。
・ 草丈150-200㎝と背が高い。
・ 開花期は、8月下旬で花の時期は意外と短い。
・ つぼみの時に外側に赤紫の筋が入る。
・ テッポウユリと花が似るが、葉が違う。テッポウユリは葉が太めで、タカサゴユリは細長い。
水も肥料もやらないで放置していた植木鉢にいつのまにか進出し、「タカサゴユリ」の花が咲いていた。
開花も1ヶ月以上も遅れているので、悪環境にもめげずに自己を主張する生命力が強いユリであることは間違いない。
1840年頃にヨーロッパに紹介されてセンセーショナルな話題を取った、沖縄・奄美諸島に自生する「テッポウユリ」と似ているが、「タカサゴユリ」の場合は、花の外側に赤褐色の帯が入っているので違いが良くわかる。
キュー植物園最後のプラントハンター:オルダム
この「タカサゴユリ」は、日本には大正時代に入ってきたようだが、このユリを採取したのは、キュー王立植物園から派遣されたオルダム(Richard Oldham 1837-1864)で、1864年台湾のフォルモサで採取した。
キュー王立植物園では、世界の植物を収集するためにジョセフ・バンクス卿(Sir Joseph Banks 1743 -1820)の時から組織的にプラントハンターを世界の各地に送り出した。最初のプラントハンターだったのがフランシス・マッソン(Francis Masson 1741-1805)であり、1772年7月13日にプリマス港をレゾルーション号で出港し南アフリカ喜望峰を目指した。
そして、キュー王立植物園最後のプラントハンターとなったのがキュー王立植物園の庭師であったオルダムであり、1861年から1863年まで日本に滞在し、日本の植物の標本を多数キュー王立植物園に送った。
日本では、1861年に長崎、西日本、横浜周辺で植物を採取し、1862-63年には小笠原諸島で採取した。1864年には台湾で採取しこの中に「タカサゴユリ」が含まれるが、この年に27歳という若さで死亡した。
オルダムは若死にしたために植物学者として名を残す東アジアの植物誌を残せなかったが、彼が採取した植物の標本は、シーボルトの『日本植物誌』第二巻を完成させたライデンの植物学者ミクェル(Friedrik Anton Willem Miquel1811―1871)によって研究され、ミクェルの著書「日本植物誌試論」に引用され、ヨーロッパでの日本の植物の研究を進化させる貢献をした。
(写真)30cmぐらいの小柄なタカサゴユリ
高砂ゆり(台湾ユリ)
・ ユリ科ユリ属の多年草。関東以西では越冬する耐寒性がある。
・ 学名はLilium formosanum。英名は、Formosa lily, Taiwan lily。
・ 原産地は台湾で、繁殖力が強く日本各地に帰化しテッポウユリとの交雑もあり区別が難しい。
・ 世界で96種類のゆりがあり、日本では15種類のゆりが自生。
・ 耐寒性に強いが、高温多湿は苦手。
・ 草丈150-200㎝と背が高い。
・ 開花期は、8月下旬で花の時期は意外と短い。
・ つぼみの時に外側に赤紫の筋が入る。
・ テッポウユリと花が似るが、葉が違う。テッポウユリは葉が太めで、タカサゴユリは細長い。