(写真)レースラベンダーゆづきの花
「レースラベンダー、ピナータ」の原産地は、アフリカの北西沿岸にある現スペイン領の島、カナリア諸島だが、
日本で作出された珍しいレースラベンダーがある。
作出者は愛知県田原市の福井恒芳氏で、2008年12月に品種登録の出願がされているので最近作出された新品種でもある。
「ピナータ」は薄紫の花色だが、 「ゆづき」はこの花色が脱色したような色合いであり、白に淡い紫がかすかに残っているような花色だ。
キメラ斑入りの「ゆづき」?
どこが珍しいのかを日本最大の花卉市場である大田市場の花卉部のブログから紹介すると、「ゆづき」はギリシャ神話に登場する『キマイラ(Chimaira)』のようであると推測している。
ギリシャ神話の『キマイラ』は、ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つ伝説上の怪物であり、理屈ぽくいうと複数の遺伝子情報を有する個体ということになる。
植物では、"斑(ふ)入り"、種類が異なる植物の"つぎ木"から出た芽などが複数の遺伝子情報を持つ植物ということになるようだが、
「ゆづき」の場合は、花の色素が消えて白い色となり、茎の葉緑素が消えて黄色となるところから“キメラ斑”ではないかと推測している。
なるほど、“斑入り”ということは、花とか葉などの色素の一部を欠落させるので、違った色が出てくるということがわかった。
江戸時代の日本の園芸技術は、この“斑入り”が進んでいたようであり様々な“斑入り”植物が作られていたようだ。
後ほど改めて調べることにしよう。
(写真)「ゆづき」の立ち姿
レースラベンダー・ゆづき
・ シソ科ラバンデュラ属の半耐寒性の常緑性低木。
・ 学名は、Lavandula pinnata ‘yuduki’。農林水産省品種登録商品。
・ レースラベンダーともいわれるプテロストエカス系のラベンダーから選抜育成された品種。作出者は愛知県田原市の福井恒芳氏で、2008年12月1日に品種登録を出願。
・ 原産地は、カナリー諸島、北アフリカ・地中海沿岸。
・ 樹高は30-50cmで、灰緑色のシダのような切れ込みがある葉、10cmほどの長い花穂に淡い白紫の花が咲く。
・ 開花期は3-11月。花後に花穂を刈り込むと長期間咲き続ける。花穂が一杯出た場合は間引きすると良い。
・ 夏場の取り扱いに注意。風通しの良い半日陰か1日二回の水遣りで水切れに注意。