1秒短縮 核軍縮協議求める
米科学誌
【ワシントン=柴田菜央】米科学誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ』は28日、世界の終わりまでの残り時間を象徴的に表す「終末時計」の針について、人類滅亡を示す午前0時まで「残り89秒」になったと発表しました。公表を始めた1947年以来最も短かった昨年から、さらに1秒縮まりました。
同誌は声明で、明白な危険の兆候があるにもかかわらず、各国の指導者や科学者が「軌道を変えるために必要な行動をしてこなかった」と批判。1秒の変化は、軌道修正の遅れが世界規模の大惨事の確率を高めるという明らかな警告として受け止められなければならないと強調しました。
声明は、ロシアによるウクライナ侵略が3年になろうとするなか、いつ紛争が核戦争に発展してもおかしくない状況だと指摘。核保有国が核兵器を増強するなか、特に米国、中国、ロシアの3カ国には「世界を瀬戸際から引き戻す主要な責任がある」として、それぞれの指導者に誠実な核軍縮協議を始めることを求めています。
また、深刻な気候変動の影響を列挙し、大半の政府が地球温暖化を止めるための資金調達や政策の戦略を法制化していないことを批判しました。
記者会見に参加したコロンビアのサントス元大統領は、すべての指導者に対して「今こそともに行動する時だ」と呼びかけ。「私たちが直面する脅威は、世界規模での大胆な指導力と協力によってのみ対処することができる」と述べました。
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