流れのままに。

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書評。

2009-05-18 20:00:10 | Weblog


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書店でこんな本↑見つけたので、思わず買ってしまいました。


内容はね、ガン医療の実体とか、いろいろな治療法とか

間違っている(と思われる)治療実体とか、まあいろいろです。


帯には”患者が正しい治療を受けるため”みたいなこと書いてあるけど

これ読むと却って混乱してしまうかも知れません。

何故かというと、外科医が行うガン治療の多くを否定してるから。

要するに


「ガン医療に対する知識が足りない」


と、明らかに非難してます。

特に化学療法や放射線治療についてだけど。

すぐに切ってしまう事も、ある部分では否定してたな。


でもね、僕もそうだけど、多くのガン患者さん

特に外科手術をした患者さんは、そのまま執刀医が主治医になるわけで

外科医は知識が足りないから、正しい治療をしていない

なんて言われても、困っちゃうでしょ?

不安になるよね。


因みにこの本の著者は腫瘍内科医で、専門は乳ガンです。

だから内科医として発言してるし、治療についての引用は

乳ガンがベースになってます。

乳ガンの患者さんにとっては、有益な情報が多いのは確かです。


他のガンについて言及してる部分もあったけど

薬剤や治療の説明部分でごく軽く触れる程度でした。

僕が掛かった胃ガンなんて「抗ガン剤が効きにくい」なんて書いてあった。

毎日せっせと飲んでる僕は何なんだ!?って感じでした(笑)

専門的な用語の引用もけっこうあって、分かり難い部分もあったな。


僕は正直読んでいて、「う~ん・・・」て部分もあったし

内科医の外科医批判と取れる部分も少なからずありました。


この本要するに何が言いたいのか?というと

『正しい知識と経験を持つ医者に、正しい治療をしてもらいましょう』

その準備として

『患者さんもガンの正しい知識を持って下さい』

ってことなんだろうけど、実際は難しいと思う。

特に医師や病院の選択肢が限られた地方ほどね。


僕は患者や家族がガンの知識を持つことに否はないけど

実際あまり多くの知識を多方面から入れてしまうと

却って混乱することになってしまう、とも思ってる。

何が正しい知識なのか、患者側は判断出来ないから

つい情報過多になりがちなんだけど

それが『医療難民』を産んでしまう要因にもなってるのは確か。


それをするくらいなら、正しい医者を捜すことに専念した方がいい。

労力と財政的な裏付けがあるのならね。

有名な医者=正しい(良い)医者 

じゃないから困っちゃうんだけどね。


この本では『セカンドオピニオン』の重要性も説いてるけど

それは実際難しい部分が多いんじゃないかなぁ。

特に主治医にそれを告げて紹介状書いて貰うなんて

かなりハードル高いと思うよ、心情的に。

人によっては露骨に嫌な顔する医者もいるだろうし。


この本にも「多くの患者さんは、紹介状を持たないで来る」って書いてあるし。

ということはもちろん主治医には内緒で来てる事が多いって事だね。

でなければ、怒らせて書いて貰えなかったか。


実際腫瘍内科医ってのは日本に2百人程度しかいないらしくて

その中でも専門が分かれてるから、選択肢は限られてるんだな。

そこからもうハードル高いでしょ?


「外科医はもっと薬物や放射線治療の知識を持つべきだ」


って書いてあったけど

外科医って休みどころか、満足に寝る間も食事する間も無く働いてる訳で

その状態で更に勉強しろって言ったって

物理的に無理な話だと単純に思うんだけど。


確かに正論だとは思うけどね、命に関わるんだから。

患者としては、そうあって欲しいと思うけど、難しいと思うな。

それならさ、内科医がちゃんと知識を身に付けて

チームとして治療に当たればいいんじゃないのかな?

変な壁を作らないで。

外科だ内科だって張り合ってるのは、患者にとっていいこと無いもの。


僕は別にこの本を否定する気は無いです!

そこは誤解しないでね。

有益な情報も多かったし、特に乳ガン患者さんは読んだ方がいいと思う。

現在日本のガン医療が、どういう状態にあるのかも分かるしね。


ただむしろ医療関係者が読んだ方がいいんじゃない?

とは正直思ったけどね。





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○胃癌の情報サイト『胃がん.com』

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ガンのコミュニケーションサイト『カルテポスト』

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2 コメント

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Unknown (こころ)
2009-05-19 01:31:53
(○´・ω・`)っ。:+.Good Evening.+:。

本日テレビで末期のガンで余命1年と宣告された女性落語家・街道徳尾さんの事を放送されてました。彼女は昨年の8月が医師から告げられた余命の期間でしたが今でも治療を受けながら落語を続けられています。
私の父親は余命半年でしたが医師は家族が希望しても延命処置の抗がん剤などはして頂けなかったです。担当医の紹介状を持ってセカンドオピニオンをしたり他の病院へ転院しても何にもして頂けずただ栄養剤の点滴だけで亡く成り今でも疑問に思っています。
『癌に成ったらすぐ読む本』に「多くの患者さんは、紹介状を持たないで来る」って書いてあるのに驚きました。
セカンドオピニオンは今では常識でないのですか。
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こころさん、いらっしゃい。 (tetsuyan)
2009-05-19 11:32:52
患者の権利としては常識となりつつあるけど、実際はなかなか難しい部分は多いね。
主治医にしてみれば「俺を信用してないのか!」って思う人もまだまだ多いだろうし。
医者ってプライド高い人多いし。実力の無い人程ね。

患者が勝手に気を回してしまうってのもあるんじゃないかな?
他の医者に掛かるのは、主治医に申し訳ないってさ。
権利を主張しない日本人らしい。

女性落語家の番組は僕も観てました。
あれをどう思うかは人それぞれだし、残りの人生をどう生きるかも人それぞれ。それでいいんだよね。

余命に関しては僕はあまり信じてません。根拠がはっきりしないから。
だから余命を過ぎて生きても、奇跡だとは思わないな。

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