優勝 ケプカ
前の三試合で予選通過さえできなかった選手が、下馬評に上がることはなかった。
番狂わせといえば、それまでのゴルフだろう。しかし、内容はそうでは全くなかった。最終組の優勝戦線の二人が、互いにけん制しあう中、パットを打ち切れず昨日の快進撃にはならない。スコアを落としていく。目立ったのは、昨年マスターズを招待されたメキシコのアマチュアだったオルテスが7アンダーでトータル18アンダーにしてクラブハウスリーダーになったゴルフだろう。
驚いたB.ケプカの底力、メジャー5勝の男のパワーと技術は、全盛期のタイガーのゴルフを凌いだ。
飛んで曲がらないハンドファーストの新打法を身に着けたケプカは、左右のウオーターハザードが気にならない。強くインパクトで掌屈した左こぶしが上で、右手首、右腕を押し込んでいく今、全盛を迎えようとしているハンドファーストの技術は、彼を特に強くした。右左に曲がらない打法は、完成させたのかもしれない。だから、コースの難度が高いほど、彼には、自分のゴルフを内面に自信を持たせる余裕がある。直線に売っていけるで、縦線と横線が脳裏に焼き付いたときに、難コース17番でもイーグルが取れるパワーを持つ。この打法は、アプローチにも有利である。理由は、直線を描いたまま、クラブフェースが出るので、カップインの可能性が増すのである。彼は、一段と手術の後、トレーニングを積んで、体を堅固にして、内面のマッスルを鍛えたのが明白である。
スピースは、かなり復活のめどが立った試合だろう。カムバックの神髄は、第3ラウンドで見せた。ただし、ハンドファースト研究中で、ドライバーが安定しないのは、迷っているのだろう。曲がるボールを打っている原因は、左腰が止まって、クラブだけ走るのでフックになる。とくにここ一番で、池の入れたのは、左腰の回転不足からくる。まだ、シェフレーのほうが、インパクトを大事にしているが、池に入れたボールは、インサイドの下から入りすぎて、フックが強くなりすぎたのが敗因。
つまり、こうして上位陣を見ると、ケプカの新打法の完成度が高く、今年のマスターズ、第一者に浮かぶあったのは、記者だけの見解だけではない。松山英樹は、新打法がしみ込んできたスイングをしているが、2016,2017WM を2連勝した時の安定度には達していない。おそらくバックペインによる、ずれが脊髄にあり、調整中というところか、日本では、なかなか出てこない選手だけに長い目で見守るのが、通人の思惑であろう。パッテイングに難があるのは、体の内面としっかりラインを読む時間のかけ方を研究すれば、昔に戻るだろう。パッテイングで、インパクト後、もう10センチほど伸ばし、北半球で打つように心がける度量を推薦する。パットでもインパクトでは、ハンドファーストになる。そうすれば、芝に影響されないボールになるはずだ。
ケプカ、おめでとう。