死んでいなかった渡辺彩香、 見事な復活劇 4年ぶりの優勝
4350万円の賞金と名譽
コロナウイルスの克服をスローガンに、大塚達也が決め込んだ最高額を誇る女子プロのトーナメントで、レキシートンプソンに敗れ、消沈していて、死んだか、と思われた期待されつつ大物ぶりを長打でにスターダムにのし上がった渡辺彩香が、黄金時代、プラチナ時代の選手がトップに競う中、見事、賞金王の鈴木愛と11アンダーで並び、プレーオフ、最初の18番ホールをバーデイとし、競り勝った。記者は、長年、渡辺を取材してきたので、復活劇を演じてくれた渡辺に新たな門出の勝利と言ってのけたい。事実、渡辺は長打で著しく女子のゴルフを変えてきた一人である。飛ぶだけに、アプローチとパッテイングにかなり問題があったが、この4年間、悔しさをばねに、切磋琢磨、恐ろしいほどに練習をして来たのだろう。ショートゲームがうまくなっているのは、あからかに明白に表れた。丸山茂樹のアドヴァイスが、相当に効果を表しているとみるのも当然といえるか。ジャンボの復活やジャックの復活、信じられないタイガーの復活、など経験をして、渡辺の復活は、一言では論じることができないほど、評価できるのである。プレーオフ後、女王の鈴木愛が、復活を喜んで拍手を送っていたが、鈴木愛にも高い評価ができる場面であった。
まずは、渡辺彩香に、おめでとう、と祝辞を送るのと同じく、危惧の最中の大会を開催した大塚達也会長を高く評価したいと思料する。
6月29日
JLPGA 取材記者 古賀剛大