私の趣味のひとつに
美術館巡りがあります。
学生の頃より
国内の美術館はすべて訪問しようと
思い続けています。
しかし
美術館と名がつく施設はたくさんあるので
少なくとも
国公立の美術館は制覇するつもりです。
*
今年の夏は
初めての訪問となる長崎県美術館へ。
道中、カーナビの誘導に従うなかで
気になる事が・・・
「出島」という地名があったのです。
歴史で習う扇形の島の事だろうか?と
調べてみると、その通りでした。
今は埋め立てられたため
島ではないのですが
長崎県美術館のすぐ傍に出島が位置します。
この地域は
南蛮文化が伝来した
文化ゾーンである事を理解しました。
南蛮とは
スペイン・ポルトガルを示すはず。
今回、訪れる展覧会は
現代スペイン・リアリズムの巨匠
アントニオ・ロペスの展示。
長崎→出島→南蛮文化→スペイン→アントニオ・ロペス→長崎県美術館
と
連想しながら美術館に入館しました。
会場は絵画が中心であるものの
リトグラフ、彫刻作品もありました。
幾つかの表現技法が混在する展示でしたが
アントニオ・ロペスの眼を通した
写実世界を見ることができる内容でした。
彼の作り出す世界は
ありのままを描く意味の写実ではなく
心象風景を写実する表現です。
一見すると写真と見間違う画面ですが
近づいて、よく観察すると
緻密に描き込まれた部分
と
そうでない部分があり
ロペスが何に意識を向けていたのか
読み取れました。
チケットやフライヤーに使用された
鉛筆画の少女はロペスの娘・マリアさんです。
余白の扱い方が
日本人の美意識に響くだろうと
メインイメージに起用されたのだと思います。
私の美意識にも響きました。
記:徳永好恵
追記
フライヤーに下の記述がありました。
作者自身が展覧会にあまり積極的でないこともあり
大規模な個展はおそらく日本では最初で最後となるかもしれません。
このまたとない機会にロペス芸術の粋を是非ともお楽しみください。
このような文章、初めて見ました。
何故か、クスッと・・・。
現在、このアントニオ・ロペス展は
岩手県立美術館にて巡回中。
10月27日まで。
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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