おひな祭りですね。
我が家もおひなさまが、娘のものだけですが飾られています。
私は和の行事が大好きなので、今晩、少しお祝いしようと思っています。お夕飯をおひな祭り風にしようというだけで、翁業なことをする訳ではありませんが、それでも結構楽しみです。
こんな風に季節を感じられるのも、とても幸せですね。
去年は何だかとバタバタしているうちに終わってしまったので、今年は感染の状況はむしろ悪いのかもしれませんが、波風もなく、穏やかに今日を迎えられたことが幸せだなあと思います。
しかし、早かったですねー。1年間。
コロナの緊急事態宣言は去年の今頃ワイワイしていた訳で。あれから1年とは、いやはや、妙な1年でした。
ところで、このおひなさまにも思い出があります。
産後、全く具合が良くならないまま経過していた私は、お人形を買いに行くことも間々なりませんでした。
初節句を楽しみにしている分、さみしさも焦りも出てきました。取り寄せたり主人にもらってきてもらったおひなさまのパンフレットを見て、買いに行くことを楽しみにしていました。しかし先送りにしているうちに、もう売り切れとかありそうだね、とも話していました。
結局、2月も下旬になってようやく買いに行くことができました。ようやくお店に行くくらいの長い時間歩けるようになったのです。
何でもあるだろうということで、百貨店に行きました。
売り切れは覚悟していましたが、それでも受付でパンフレットのものはもう、と申し訳なさそうに話す店員さんにの表情は明らかに曇っていて、その時点でかなりショックを受けました。
さらにおひなさまの売り場に行ってみると、売り場面積もかなり縮小していて、何なら叩き売りではないですけれども、窮屈そうにお人形が並べられていて、パッと見ただけでとても残念な印象を受けました。
すごくすごく悲しくなりました。
あんなに楽しみにしていたのに、なかなか来れなくて、そうしている間に百貨店が売りにしていたものは全部なくなってしまったのです。
娘に、良いものを、気に入ったものを買い与えたかったのに、どうしてこうなってしまうのかと売り場に入るところで、早速打ちひしがれていました。
当時はイチイチそんな感じで、私の体調を理由に諦めることが多くありました。だから、おひなさままでもがこの有り様なのかと、あっさり衝撃を受けてしまったのだと思います。お宮参り、お食い初め、ハーフバースデー、とにかくいろんなことが後手にまわるか諦めるか。全ては私のせいでしたので悔しさも寂しさもぶつける先はありませんでした。
おひなさまなんて何だって一緒でしょうとか、もっと簡単に済ませる人もいるとか、いろいろ自分の心を鎮める文句が出てきてはどこかに飛んでいってしまいました。
そんな私に、主人は残りものには福があるって言うし、とにかく見てみようよと元気づけながら売り場に入るよう促してきました。
さらに、君が頑張って産んで、楽しみにしてきた行事なんだから、気に入ったものを買うといいよと言ってくれました。両親たちも同じように私に一任してくれました。
そこで余計なことを考えずに所狭しと並べられたおひなさまをひとつひとつ見ていきました。
すると、とても落ち着いた、柔らかい印象の、まさに娘にこんなお人形が似合うようになってほしいと思うようなものが目に入ってきました。一目ですごく引き込まれました。
ただ、イメージしていたものとかなり違って、ためらいも戸惑いもありました。
それでも、惹かれるものがあって、私はとても気に入ってしまいました。
あまり記憶がないのですが、娘は例の如くぎゃーぎゃーと騒いでいたような気もするのですが、みんなで面倒を見てくれて、私はじっくり見る機会をもらった気がします。とは言ってもそう時間はありません。
もうひとつ、娘に似合いそうなお人形も見つけたのですが、先程のものが気になって仕方ありません。
どれが気になってるの?と主人に聞かれてコレですと言うと、すごくいいね!僕、気に入ったよ!と何だかとても楽しそうです。
そうかな、いいかな?と聞き返すと、なんだか主人の方が興奮しているくらいの有様で、いいじゃない!いや、僕が選ぶんじゃなかった、いや、でもどうなの?みたいなひとりコントを繰り広げていました。
そっか、パパも気に入ったのか。じゃあいいかな?なんて嬉しくなり、でも人の意見に流されないぞ!と最後によーく自分に聞きました。
そして、うん、これにしようと決めました。
店員さんに、最後のひとつでしたとニコニコ手続きをしてもらいながら、大満足な自分がいました。
こういうのをご縁というのだろうと、しみじみ思いつつ、しかし最初の衝撃は一体何だったのだろうとおかしくなってしまいました。
本当に思い描いたものとは違うおひなさまでした。おそらくお店に全部揃っていたら、我が家には違うお人形が来たと思います。だからこそ、余計にご縁を感じてなりません。
娘はこのおひなさまが大好きで、毎年飾られるのを楽しみにしています。去年はパパと娘で飾ったので、今年は私も!と3人で飾れたのでとても嬉しかったです。
こんな風に、良い思い出や良い出会いに恵まれながら私たちは生きているのだなと、感謝の思いを乗せて今日のお祝いも楽しみたいと思います。