工房 十一椿(toi tsubaki)

久留米絣や 大島紬など 着物を使って洋服やバッグなどの製作・販売を行っています。

始まりがあれば・・

2011年06月13日 | 日記
今日は

職場の方の

洋裁教室でした。



ちょうど

一年前 前の職場を辞め

洋裁教室の先生として

この職場にきました。


今月で一年。





でも 始まりがあれば

当然 終わりもある。



経営方針の変更ということで

今月いっぱいで

職場の洋裁教室を閉めることに・・。







今日から

店舗スタッフAが 

「私も 洋服つくりたい!」と

残りわずかな教室に殴りこみ?

いえいえ

生徒さんとして仲間入りしました



初めての洋服作り

最初は

「出来るかな・・。」と不安げでしたが

裁断をして

パーツを組み合わせていくうちに

「楽しい~!!」


と 満面の笑み!!









この一年間

本当にあっという間で



先生でありながら

私自身も 本当は

内心 ハラハラドキドキ・・


「大丈夫かな?」「間違ってないかな?」「説明伝わっているかな?」

生徒さんの間を行ったり来たりしながら

一日中 緊張の連続でした。




ほとんどが

洋裁をしたことのない方ばかりなので

縫い間違いや 寸法が合わないなどなどの繰り返し・・。




その度に

「あぁ~面倒くさい・・やめた・・。」

と投げ出してしまわれないかと

私は 内心 ヒヤヒヤ・・・。




でも

そんなことを言う人は一人もなく

何度も縫い直し

最後は

「やったぁ~!!出来た!!」と大喜び。






そんな生徒さんたち

物作り(洋服・バッグ・小物・・)の要領をつかみ

これから!っと言うときに

閉鎖・・・。


本当に 申し訳ない気持ちでいっぱいです・・。











洋裁の仕事って

地味で目立たなくて

手が掛かるわりには、お給料も少なく

仕事場も 限られている・・ということもあり

あまり 報われないことが ほとんどで

同世代で

この仕事を続けている友達は

一人もいません・・。




“何のためにやっているんだろう?”

“この先続けていても・・先が見えない・・。”と

悩んだことも・・。






洋服なんて 買った方が安い

この時代。



面倒くさくて

地味で 目立たないけど・・・





“洋服作りって楽しい!



と 笑顔で

自分で作った服を着て

街を歩いてくれる生徒さんたち。



その笑顔をみれただけでも

この一年間 決して無駄ではなかった・・・。




上着を作って

パンツを作って

そして

バッグを作って・・

全身をお揃いの手作りの洋服で身を包むSさん。



最初は おばあちゃんの形見の生地で

初めてのワンピース作りに挑戦

今では

ジャケットの注文がくるようになったMさん。



福岡から通ってきてくれて

遂には

コンテストに出品するようになったHさん。



おばあ様の着物をほどいて

ベストやバッグに仕立て直しされるYさん・Oさん




一つ一つが丁寧で 

はじめて洋裁をされるとは思えないほど

完璧にしあげられるTさん。



そして

一番最初から一年間ずっと通われたMさん。



などなど・・・



本当の意味で

支えられ

成長させていただいたのは

私の方でした。

ありがとうございました。




“先が見えない・・”と悩んだ数年前。

これから先も

見えない不安はあるけれど



少しだけ ほんの少しだけ見えたもの・

確信したことがあります。





それは


“服作り・物作りって楽しい”



っていってくれる言葉が

心の底から 今 嬉しくて

その笑顔を

その言葉を

そう言ってくれる人を

ふやしていきたい!っと思えるようになったこと。






ほんの小さな夢ですが・・・

これから

わたしの小さな目標・・に 

していこうとおもいます。
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