工房 十一椿(toi tsubaki)

久留米絣や 大島紬など 着物を使って洋服やバッグなどの製作・販売を行っています。

久留米絣でロールカラーチュニック

2018年06月07日 | 久留米絣~~スカート・ブラウス

久留米絣でロールカラーチュニックをお作りしました。

 

 

 

 

七宝文様ですが 遠目でみると

”和”柄というより 

ヒョウ柄のような”洋”柄にもみえます。

 

ウエストには ポケット。

 

 

 

右向いて・・

 

左向いて~

 

 

 

 

印象がちょっとだけ変わります。

 

 

袖は・・

 

 

 

袖中心だけ 柄を入れてます。

 

 

裾は・・

 

 

 

スリット。

 

夏場は スリットを深めに入れておくと

涼しいだけでなく

汗をかいてた時の脱ぎ着がしやすくなります。

 

 

後ろは・・

 

 

 

こんな感じ。

 

 

暖色の”赤”は 暑い・・イメージがありますが

夏の日差しに負けない力強さっ!

 

夏こそ 赤っ!

 

っと出来上がりをみてそう思いました。

赤も・・いいなぁ。

今日、納品です。

 

 

 

 

**************

 

梅雨ですが

今週初めは ピーカン天気。

 

そこで・・このお日様を逃してなるものか!

 

・・っと

 

 

 

生地を染めてみました。

 

お日様に負けない”ひまわり”色です。

 

独立して工房を始める前 

勤めていた職場は

久留米絣のお洋服を扱う”和”のお店でした。

そのお店の傍らで 久留米絣や和木綿を使って

洋裁教室をはじめたのが

今、久留米絣を扱うキッカケになってます。

 

そのお店の姉妹店に

草木染の染め工房がありました。

藍染・柿渋・栗・チューリップなどなど

お店には 色あざやかに染め上げられた商品が

所狭しと並んでました。

夏休みになると

子どもさん用の体験教室なども行われ

ハンカチなどを染める教室は大人気でした。

 

社長(80歳)は 

久留米でも有名な染職人だったそうです。

染めに関する経験と知識は豊富で

社長の染める柿渋や藍染は とても人気があり

柿渋の生地は 店頭に並ぶとすぐ売れてしまうほど。

その技術を息子さんが受け継ごうと努力されましたが

その技術を受け継ぐ前に 突然 社長が亡くなり・・

お店も閉店・・。

 

結局・・息子さんもスタッフも誰一人

”染め”の後継者にはなりませんでした・・。

 

あの頃、私は少し離れた別店舗にいたため

”染め”に接する機会がなく・・

 

今 思うと あんなに身近に ”染め”のプロがいたのに・・っと

悔まれてなりません。

 

ずっとやってみたかった”染め”

6年越しに ようやく一歩踏み込んでみることに。

 

初心者の私でも簡単に染められるっという説明書きにつられ

化学染料で染めをはじめてみました。

 

 

 

ムラなく染めることがどれだけ難しいか

何度も水洗いを繰り返す体力

染料と助剤の配分

素材によって変わる染まり方の違いなどなど・・。

 

まだまだ わからないことだらけです。

 

何度も何度も 

染めて失敗して

また・・染めて・・失敗して・・

・・を繰り返さないと

思うような生地に仕上げられるようにはならないのでしょうが

 

染め上がった時に

「あ・・可愛い。」

 

っと嬉しくなった気持ちを忘れないようしたい。

 

ちょうど 社長の訃報が届いたのは

梅雨のこの時期でした。

 

お店のスタッフと

大雨の中 

社長の自宅のあった久留米の葬祭場へ

車を走らせたのを

思い出します。

 

 

人の苦労や努力は自分がやってみないとわからない。

技術の素晴らしさは なくしてはじめて気づくもの。

 

 

あの頃は あまりにも身近にあり過ぎて

気づきませんでしたが

学ぶべきことは

いつでも

周りにたくさんあるのかもしれない。

 

これからは 出先やお店など

いろんなところで ”染め”に出会ったら

もっと注意深く

もっと真剣に

いろんなことを

学びとってみよう・・。

 

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