2001年版NHKテキスト角田泰隆著「こころをよむ」の本に、次のことが書かれていた。
『(前略)道元禅師が示す「諸悪莫作」(しょあくまくさ)ということ、そしてその実践。またその実践を積み重ねて「莫作の力量」を現すということ。これは仏教において実に大切なことです。
かつて、中国唐代の鳥窠道林(ちょうか どうりん、741年 - 824年)という禅師は、有名な中国の詩人、白居易(白楽天)に「仏道の大意は何か」と問われ、「諸悪莫作、衆善奉行」(悪いことをせず、善いことをすること)と答えています。
白居易は、そのようなことはあたりまえのことだとして、「もし恁麼にてあらんは、三歳の孩児も道得ならん」(そんなことだったら三歳の子供だって言えるぞ)と言い返します。
すると、道林は「三歳孩児縦道得、八十老翁行不徳なり」(三歳の子供でも言えるかもしれないが、八十の老人でも行うことはできまい)と切り返しました。白居易は、この言葉に黙ってしまいます。
確かにそのとおりです。「環境を破壊してはいけない」「争ってはいけない」「差別をしてはいけない」ということは、皆分かっているのです。
わかっているのだけれども、実践することは難しいことです。つい犯してしまうのです。無意識のうちに環境を破壊したり、人の心を傷つけてしまっているのです。
繰り返しますが、まずは努力すること。常に心がけ、行い、反省する事、つまり、「諸悪莫作」(悪いことをしない)という実践が大切です。
そうしているうちに、必ず道元禅師の言う「莫作の力量」が現れてきて、ほんとうの「諸悪莫作」(悪いことができない)という自分ができあがるのです。
そのときにこそ、環境・平和・人権という、これらの大切な問題に対する本当の解決がなされるのだと思われます。 (後略)』
この本を読んで、環境活動家“グレタ・トゥンベリさん”を思い出した。彼女は、地球温暖化対策を訴える17歳。昨年9月の国連気候行動サミットでの演説が注目を集めた。
国連によると昨年、CO2は世界全体の排出量・平均濃度も観測史上最高を記録し、地球温暖化で100万種の動植物が絶滅の危機に瀕しているという。
地球温暖化がこのまま進めば、人類はもっと多くの死者が出ることになるであろう。地球温暖化は、そのくらい大問題だと思うのだが・・・・。
グレタ・トゥンべリさんの言葉である、「あなたたちを見つめている。裏切ったら許さない。」を、大人はもっと真剣に考える時が来ている。
「十勝の活性化を考える会」会長
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