K氏は、同じ町内会の人である。彼は、家族が札幌などに住んでいるので1週間に1度はお邪魔して、色々なことを学んでいる。彼は18世帯の小さな町内会の人で、趣味が読者で大手建設会社やすし職人の経歴から幅広い人脈を持つ。
博学であり、多くの人が“駆け込み寺”として利用している。先日は、哲学と宗教の話を賜わった。彼の座右の銘は、“着眼大局、着手小局”と“人生、いつも勉強!”である。
着眼大局とは、物事全体を俯瞰して重要なものを見抜き注目することである。大きな視野で自分の人生を俯瞰する考え方を持っていなければ、みすみす大漁を逸することになり、目の前に現れる問題点に対処するだけの人生になってしまう。
着手小局とは、細かなところに目を配り、具体的な作業を実践することである。私なりに解釈すれば目先を見て物事を考えるのではなく、歴史的積み重ねの過去から現実を直視し、そのうえで未来を見通し、自分たちの「あるべき姿」を描くといえよう。
ところで私たちは、“着眼小局着手混沌”に陥っていないだろうか。なぜかというと、日本の財政は崖っぷちに立たされ、また、平均気温を見ればわかるとおり、地球温暖化が進んでいるのだ。
これまでの日本経済は、景気重視で財政を拡大してきた。これにより大きな景気悪化を免れたものの、結果として国債残高が積み上がり、今回の新型コロナ対策費が、これに拍車をかけている。
財政状態に対して抑止力が効いている数少ない国としては、スウェーデンやカナダがある。スウェーデンは、補正予算も含めた実績ベースで歳出の上限を守っており、政権が変わっても財政の枠組みを8年間は変えられないとしている。
またカナダは、過去の財政悪化に伴う自国通貨安に苦しんだ経験から、厳格な支出見直しを継続的に実施しており、将来のために、国民合意で税率などを設定している。日本の財政状態が更に悪化した場合、以下のようなマイナス影響が出る可能性がある。
① 何らかのきっかけで財政懸念が市場で意識されはじめ、国内外の 投資家が国債を放出する。
② 国債金利が上昇した場合、日銀の買い支えにも限界、
利払支出が膨らむ。
③ 市場が徐々に日銀等の買入れの限界を意識する。
④ 国債金利が急騰する。
⑤ 金利上昇、不況から企業倒産の増加や不動産価格の下落で銀行の 資産内容が悪化。
⑥国が公的資金で支援するにも限界にきており、景気悪化で国の信用力悪化が台頭する。
先日、NHKスペシャルで、日本銀行の“異次元緩和の10年”を放映していた。日銀における金融政策の決定は、総裁、副総裁(2名)、審議委員(6名)の計9名の委員の多数決で行われるようである。だから、10年にわたる異次元金融緩和も、多数決によって決められていた。
このテレビでは、審議委員の苦闘が語られていたが、失われた10年の責任は重いだろう。ただ、この超金融緩和の結果は、「この先、10年はかかるだろう」と審議委員の一人が言っていた。
先進国で20年も賃金が上がっていないのは日本だけであるそうだ。私には詳しいことは分からないが、少子高齢化だから有効需要が増えないことが原因だと思っている。
「十勝の活性化を考える会」会員
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