令和元年8月9日付け「十勝毎日新聞」(編集余禄)に本物の持つ力について、以下のようにかかれていた。
『東京に来たなら、できるだけ多く、本物を見ていきなさい。本物には訴えてくる力がある。』。着任あいさつの際、十勝でもお世話になった在京企業の役員の方からアドバイスを頂いた。本物を経験し自らの引き出しに数多く詰めておくと、後で必ず生きてくる、と。
先日、銀座であるバーに立ち寄った。営業90年余のレトロな趣のその店は、かつて太宰治や坂口安吾らの多くの作家が常連で、今もファンが「太宰の座った関」を訪ねてくるという。史跡や寄席、コンサートや展示会など、東京は「本物」に触れる機会にあふれている。
例えば、国宝の土偶や刀剣など昔の日本を垣間見ることでエネルギーを感じたり、記憶の片隅に深く刻まれたりする。人が心から感動したり、行動に影響したりする要因の中に「本物に触れるとか、触れたいと思った時」というのがある。他人に伝え、共有したくなる気持ちもそう。では、十勝の本物とは。筆者は言うまでもなく「食」。野菜、小麦、牛乳、乳製品、菓子・・・。
十勝ロケで訪れた、ドラマ「なつぞら」出演の俳優たちにも「本当においしくて」と言わしめるのは、本物の持つ力の証。だからこそ、自分たちでその価値を認識し、自信を持って外に伝え、呼び込むことが必要だ。十勝は、来てもらい、食べてもらえば心に刻まれる。本物の食に出会える場所なのだから。』
全国を見てきて思うのであるが、十勝はこの「食」のほかに日照時間も長く、気候も全国で一番良いと思っている。朝ドラ「なつぞら」が放映されており、この地の利を活かすのには絶好のチャンスである。ただ本州の人には「十勝」がどこにあるかは分かっても、「帯広市」は知らない人が多いと思う。まさに「灯台もと暗し」である。
「十勝の活性化を考える会」会員
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