ときぶーの時間

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慟哭の涙。

2012-11-01 08:00:00 | 日記
NO-260
昨日の朝、3時15分に起きてコーヒーとサンドイッチで朝食を取り、4時50分に家を出て福島の大玉村に日帰りで行ってきた。大玉村にある富岡町の仮設住宅に避難しているかみさんの友人に、かみさんと会いに行ったのだ。


大玉村の仮設住宅の一画。

震災後初めての再会。3月12日の原発事故により大きく変わった生活と犬と猫を残して避難したことを悔いて涙する友人を見て熱くなった。

彼女が大切に飼っていたペットは犬が一匹と猫が二匹。ダックスフントとシャムネコだったそうだ。犬は首輪を外して動けるようにしてあげ3~4日分の水と餌を与えて避難していたのに、原発事故により帰れなくなり一時帰宅の時に愛犬の死を確認。

その姿は家を守るが如くの姿で本当に申し訳なかったとまた涙した。猫たちはそれ以来姿が見えないと。

彼女は一時帰宅の順番が遠方の人から優先されて近くに避難している人の順番は後になり、震災の4か月後の7月の一時帰宅の順番に納得がいかず、東京電力に電話を入れたが取り合ってくれなかったと怒りをあらわにした。


入居者の数が少なく、ここにあった仮設住宅は解体されて現在、いわき市に作られている仮設住宅に運ばれていると聞いた。

息子さんは宮城県に、ご主人も原発事故復旧の仕事ためにいわき市に住み、彼女は大玉村の仮設住宅に。家庭のコミュニティの崩壊?寸前まで追い詰められた苦しい生活の中で、今でも探し続けている。

この事故さえなければと・・・彼女が泣いたのは、生れたばかりの息子さんの赤ちゃんを思って避難する時に、犬と猫の計三匹を車に乗せられなかった事と、原発は爆発しないと信じていたからペットたちに「すぐに戻るから待っててね!」と言い残してそれが最後の言葉になった事だった。

あちこちの動物愛護団体様に確認をし探し続けているのだが、彼女の家では付きっきりで面倒を見なければならない重病の方がいて、遠くにある病院に毎日行かねばならず、それがあるから自分で探してあげることが出来ないとまた涙。

彼女が涙するとかみさんも一緒に泣いていたが、彼女の涙をどうやったら止められるだろうか?愛情も深く責任感も強い人なのだろう。今まで慟哭の涙をどれだけ押して殺し泣いただろうか?僕は黙って聞いてあげることしか出来なかった。

彼女は今年の始めに看病疲れとストレスで倒れ、救急車で運ばれ自分も病気になり苦しんでいる。何故今までかみさんに言ってくれなかったのか?と問い詰めたら、顔つきまで変えた激やせの身体と折れた心を見せたくなかったからだと・・・

一人で暮らし誰にも胸の内を明かすことも出来ず、疲労で倒れるまでたった一人で看病しなければならなかった状況がどれだけ苦しかったか。僕は苦しい思いをしている人の生の話を聞き、身が引き締まる思いだった。少しでも力になってあげたい・・・


この町にある唯一の大型ショッピングセンター。


ショッピングセンター内のラーメン屋さんで遅い昼ご飯を3人で。彼女は病気のためか?半分しか食べられなかったが、ここの鶏ガラスープで作った中華そばは美味しかった。

僕も重病の方の付添いをお手伝いをしたことがあるから分かるけれど、家に重病の方がいると家族の人は本当に大変である。彼女の家では大地震。大津波。原発事故。そしてペットの死と行方不明。家族と離れ離れの生活。

三重苦どころか、それ以上の苦しみの中一人誰にも言えず戦って来た。一人でいてどんなに辛かっただろう。いつも自分を癒してくれたペットたちにどれだけ会いたいだろうか。

彼女は、この事故さえなければ家族みんなで暮らせたはずだ。倒れて病気になることもなかっただろう。原発事故が本当に憎い!

この事故さえなければ多くのペットの命も失わずにすんだ。多くの動物たちの命も。たくさんの人々に多くの苦しみも与えた国よ全国の電力会社よ!いい加減に原発を止めろ!僕らの双葉郡を事故前の姿に戻してくれ!

今日はどうしても彼女の事を書こうと思いました。いや、書かずにいられませんでした。原発事故は収束なんかしていません。まだまだたくさんの被災者が苦しんでいます。原発事故が僕たちのすべてを奪っていきました。みなさん、原発再稼働反対に協力して下さい。



コメント (10)
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