走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

プロを育てる実践教育法

2008年11月17日 22時55分53秒 | その他
 昨日、TBS系で「夢の扉」という番組をやっていました。
 その内容をご紹介します。

 少子化が進む我が国では、大学への進学率は逆に上がっており、その反動で、工業高校や商業高校などの専門高校の進学率は下がる一方だと言われています。
ですから、統廃合の対象となるとともに、高校教育の在り方が問われてきているそうです。

 しかし一方では、三重県立相可(おうか)高校では、毎年入学希望者が増加しているというのです。
 その理由としては、文部科学省が平成15年から「目指せスペシャリスト」事業をスタートさせましたが、その開始年からモデル校に選ばれた同校では「食のスペシャリスト」を育てており、その中心的存在として食物調理科で生徒の指導にあたっている村林新吾先生の存在が大きいと言われています。
先生は14年前に熱望されて辻調理学校の講師から教員免許を取得して、この相可高校にやってきました。

 しかし、順風満帆にことが進んだわけではありません。
先生は最初から挫折感を味わうことになります。
文部科学省の基準で数学や英語の授業を優先しなければならないため調理実習の時間がおもうように裂けないということがわかったからです。

 先生は悩みました。
 そして、出てきたアイデアが部活動だったのです。
当然、部活動(任意の活動)ですから食物調理科の生徒全員が参加するとはかぎりません。
また、その活動は厳しさを極めました。
毎日、早朝から市場に仕入れに行き、授業が終わってからの活動は夜の9時過ぎまで続きます。
本当の調理現場のような厳しさです。
 でも、そのことが返って生徒たちの心に火をつけます。
部員も増えてきて、今は食物調理科の殆どの生徒が参加しています。

 さらに、地元行政にレストラン「まごの店」までつくらせてしまいました。
 このレストランは生徒たちが休みの日しかオープンしていませんが、地域外からもお客さんが訪れ、二時間くらいで売切れてしまいます。

 生徒たちは、表面的な調理技術のみを学ぶのではなく、素材の良し悪しから、調理方法はもとより、サービス、経営まで全て学びます。
どの生徒も真剣です。
映像に映し出される生徒たちの目は輝いています。

 先生は言います、「まだまだ高校生やからと思って、そこでやめてしまうと、社会に出たときに恥をかきます。」と。
誰のために厳しい教えがあるのかを誰よりも生徒たちが理解しているからこそ、がんばれるんだと思います。

 人間性や社会性が足りないといわれている若者たち。
 6人にひとりがニートになると言われている若者たち。
 しかし、その原因は、若者たちを思い、若者たちに真剣にぶつかっていく大人がいなくなったせいではないのかと、改めてこの番組を見ていて思ってしまいました。