3月20日(火) 晴れ
東日本大震災で支援した寄付金がなかなか被災者のもとに届かず、「日本政府や赤十字社は何をしているんだ」とイライラしていた人も多かったことだろう。
我が家もそのうちだ。
大組織は当てにならず、個々のボランティアやすぐに伝えてくれる組織を通じて毛布購入資金を拠出したり、使っていない下着類を持って行ってもらったり、東北の会社の製品を購入したりしている。
日本政府や赤十字社などの大組織にすぐに動けない原因は何か?
この本を読んでわかった。
その原因は
「公平にしなければならない」と言う公共事業の縛りに縛られたからなのである。
もう一つは
「個人情報の保護で動けない」のだ。
どちらも危機に対応できない仕組みとなっている。
これはこういう有事の時は大障害となる。
有事の時は組織を通じてではなく、現地と直接やり取りし、会議も開かず、リーダー同士が即断する体制が必要だ。
この大震災と津波と原発事故の教訓を生かして、政府はそういう仕組みをすぐに作らなければならないと思うが、いまだにその動きは無い。
もう一度大災害が来ても、同じことを繰り返すだけだ。
西條さんの本を読んでピンッと来た言葉とやり方に付箋(ふせん)をつけた。
その言葉とやり方を書きだしてみよう。
1. 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」はツイッターで立ち上げ、フェイスブックによって動きながら拡大する組織を運営できた。
2. 著名人がツイッターで広めてくれた。
3. 現地のスタッフが聞き取りしてきた必要物資を、ホームページに載せてツイッターでそのことを拡散し、全国の支援者がそれを見て現地に物資を送り、贈ったという報告を受けてホームページを更新する。
4. 避難所で地区会長がしっかりしているところは支援物資が行きわたるが、会長が亡くなったりしていないところは物資が届かない。
5. 自宅避難で2階で生活している人には、冷蔵庫や洗濯機・電気釜と言ったほとんど1階にある電気製品が津波で使えなくなっても支援物資の支給は無い。
6. 家電の配布は「罹災(りさい)証明書」だけで発送し、重複(ちょうふく)を避けるようデーター化する。
7. 自分たちの活動の仕方を子供たちに教えておけば、それを足がかりとしてさらに優れた活動ができる。
8. ラジオは電気も来ない現地に情報を提供する大きな力となった。
9. 現地の情報は役所の人ではなく、そのへんを歩いている人に聞いた。
10. 使っていない家電を送る際、中間に人が入って壊れていないかいちいちチェックできない。送る人に責任感を持ってもらう。
そのために送る側も受け取る側もだれなのか明確にする。
すると受け取った人がお礼状を出したりして支援の輪が広がっていく。
11. 活動はトップダウンではなく、水平つながりで行っていく。
12. 活動が軌道に乗り、自分がいなくなっても回っていくようになったら去る。「いなくなるのが目標」
13. 「動き方」のモデルを示すことで、自分が現地に行ったり、管理したりすること無く、同様の成果を上げてもらうことができる。そうして支援先の避難所は数千件にもなった。
そして西條さんの師匠の言葉
どうしても自分が頑張っていると、他の人にも「なんでもっとこうしてくれないんだ」と思ってしまうが、ボランティアは無償で奉仕してくれているのだから、少しでも動いてくれれば感謝しなければいけない。そこで感謝の気持ちを忘れてしまうとボランティアの組織は崩壊する。
これはトンサンも良く肝に銘じておこう。
西條さんの行動の仕方や考え方は糸井氏との対談でよくわかる。
西條剛央さんの、すんごいアイデア。