勃ちあがった象の白い涙の物語

ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる

2000(ミレニアム)ベスト 薬師丸ひろ子ベスト

2014-06-02 23:51:39 | 音楽
今となっては、すっかり熟女女優としての評価が定着してしまった薬師丸ひろ子のベスト版。
彼女のベストは数多くあるが、個人的には、少し価格は高いが、選曲的にはこれがお勧めである。

今、改めて聴いてみると、けっこういい曲が多いような印象がある。
いずれも映画がらみのものが多く、作家も一流どころを揃えていたりして、当時の彼女の絶大な人気ぶりと彼女の所属していた角川映画の力を、改めて再認識させてくれる。
肝心の彼女の歌は、正直、プロの歌手としてはけっして上手いほうではないのではないか。
ただ、その声や歌い方にクセがなく、これは非常に大事なことで、それだけにいろんなジャンルの歌を違和感なく歌いこなすことができる。
その際たる例が「紳士同盟」だと思う。

「猿の宝石」 ミン&クリナメン

2014-05-24 06:39:34 | 音楽
このバンドのボーカル、泯比沙子という人は、ライブ中に蝉を食べてしまったり、生理の血のついたパンツを放り投げたり、またすぐに全裸になってしまったりと、その過激なライブパフォーマンスで、80年代のインディーズシーンで有名だった人で、それだけに、まともな音楽ファンは、「泯比沙子なんて、所詮、ゲテモノでしょ!」みたいな感じで、まともに取り合わなかったバンドである。
で、あるにもかかわらず、数多のインディーズバンドの中から、紛いなりにも、こういう感じでメジャーのレコード会社からアルバムを発表しているわけである。
で、実際のアルバムの音のほうはというと、これが結構まともで、おまけに優れていたりする。
はっきりいって、当時、彼女のことをゲテモノ扱いしていた数多のくだらないバンドなんかより、数百倍、まともでキチンとした、それでいてハイクオリティの音楽である。

「アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック -デラックス・エディション-」

2014-05-11 20:40:45 | 音楽
先日の「関ジャニの仕分け」の最強歌ウマ軍団にカラオケの得点で勝てるか仕分けにおいて、あのMay Jがついに敗れてしまったときの課題曲だったのが、いま超話題の「アナと雪の女王」の挿入歌である「Let It Go」で、その影響もあってか、家の周辺のCD店を3件回ったが、どこも売り切れであった。正直、あきらめかけていて、時間がかかるけどアマゾンで購入しようかと思っていたのだが、別の目的で立ち寄ったスーパーのCD売り場で最後の一枚を見つけて購入できた。
実際、サントラとしては異例の大ヒットを記録しているようである。
ただ、そこまで苦労して手に入れるに値する内容かというとそうではなく、サントラなので当たり前といえばそうなのだが、映画を見ていない人間には、まったくもって面白くない。

しかし、「関ジャニの仕分け」におけるMay Jは、なかなか感慨深いものがあったなぁ。
彼女の場合、「関ジャニの仕分け」に出てくるまではまったく無名といっていいような存在だったのだが、それがこの番組で連勝を続けることで、一気に有名アーチストの仲間入りを果たしたわけだが、本来、プロの歌手として疑うまいというのとカラオケがうまいというのは、本質的に違う。
そういう意味で、こういう形で有名になった彼女であるので、世間が彼女に求めるのは、この番組における「カラオケのうまい」彼女であって、そういう意味で、本来彼女の求めている姿と大きく乖離してしまっているように感じたのではないだろうか。
それゆえに、彼女としては、何かのきっかけでこの番組からの脱却をしなくてはいけないと思っていたはずで、そういう意味では、あの結果は、彼女の望んだものであったのかもしれない。


「MEET THE BEATLES」

2014-04-13 03:08:39 | 音楽
まず、何といってもジャケットがいい。
たぶん、それ相応の写真家によるものだと思うけど、音楽だけじゃなく、こういう部分にもこだわりがあったんじゃないかと想像することができる。

ちなみに、これはアメリカでのデビューアルバムである。
この時点で、すでにビートルズは、本国イギリスでは大スターであったわけで、つまりは、アメリカでのデビューの段階で、すでにビートルズはそれなりのヒット曲を持っていたことになる。
このアルバムは、そんな事情を最大限に活かし、それまでのイギリスでのヒット曲や有名曲が満載の非常に優れたものになっていると思う。
ちなみに、こういう安直にヒット曲や有名曲を詰め込んだようなアメリカでのアルバム構成に、当のビートルズ本人たちは激怒したらしいが、これはこれですごい話だな、と思うわけで、アルバムなんてただの曲の寄せ集めだとしか考えられていなかった時代に(だからこそ、アメリカではこういう構成でアルバムを制作したのだが)、すでに彼らはアルバムのトータル性を意識していたということになり、そういう意味でも、いかにビートルズが優れた音楽集団であったのかが窺い知れる。

個人的には、イギリスでのデビュー盤より、このアメリカ盤のほうが好きなのだが、強いて言うならば、いくつかの有名曲、たとえば「プリーズ・プリーズ・ミー」や「ツイスト&シャウト」なんかが収録されていないは、ちょっと腑に落ちない。

「NEW」 ポール・マッカートニー

2014-04-12 12:02:53 | 音楽
年齢的に、昨年の来日がおそらく最後になるであろうと言われていたのに、早くも今年の初夏に再来日をすることになったポール・マッカートニーだが、このインターバルの短さは、あまりにかつてにないもので、前回の来日辞に忘れ物でもしてそれを取りにくるんじゃないか、と思われるような間隔の短さである。

とりあえず、そんなポールの最新作であるわけだが、昨年の来日というイベントもあったので、発売当時はそれなりに盛り上がっていたように思う。
正直、それほど悪い作品だとは思わない。
ただ、なにか、イマイチ、物足りないのである。

それぞれの曲は、どれもそれなりの出来で、彼の長く輝かしいキャリアを考えても、合格点にある水準のものだとは思う。ただ、うまくはできているけど、何か物足りないのである。
なんか野球にたとえていうなら、ヒットはそこそこ打つのだけれど、ぜんぜんホームランを打たない打者のような、そんな感じの作品である。

「1984」 ヴァン・ヘイレン

2014-04-10 07:46:28 | 音楽
83年発表の、ヴァン・ヘイレンの大ヒット・アルバム。
このアルバムは、何といっても大ヒット曲「JUMP」につきる。
この「JUMP」は、彼らの最大のヒット曲であるばかりでなく、この後、彼らが単なるHR/HMだけのバンドではなく、アメリカン・ロックの王道を突き進むバンドへと大きく成長と変貌を遂げるきっかけになった重要曲でもある。

ヴァン・ヘイレンといえば、とかくエディのギター・プレイのみが注目されがちだが、この「JUMP」では、エディのギターは必要最低限しか演奏されていない。その代わりに、彼が大々的に演奏しているのはシンセサイザーである。
当時、現役最高のテクを持ったギタリストとしての評価が確定していたエディだけに、そのプレイが少ししか聞けないのは、少し残念な気もするが、それでも、そのわずかなプレイだけで、聴衆が充分満足するだけのものを彼は持っており、それより、ギター一辺倒ではなく、シンセなどのキーボードを手にしたことによる、楽曲の広がりを、この当時の彼らは選択したのだろう。
この選択は、はっきりいって大正解で、その後、単なるHR/HMだけのバンドからアメリカン・ロックの王道への脱皮を成し遂げられることになったわけである。

「Greatest Hits」 ナイト・レンジャー

2014-03-30 01:05:49 | 音楽
80年代に、HR/HMブームに乗ってヒット曲を連発しつつも、その後、いつの間にかフェイドアウトし居なくなってしまったナイト・レンジャーのベスト版。
彼らの業績といえば、何と言ってもバラード曲「シスター・クリスチャン」の大ヒットで、この曲のヒットにより、HR/HMのバンドがバラード曲でヒット・チャートを賑わすというパターンが一般化した。

改めて聞いてみると、「シスター・クリスチャン」は名曲だと思うが、それ以外の曲は、どれも幼稚というか、奥行きがないというか、何か安直な感じがするものばかりで、おまけに、バンドそのものに特徴らしきものもなく、懐かしいなぁ、とは思いはしても、それ以上の感慨は何も浮かんでこない。
まぁ、そういう点が、このバンドが消えてしまった原因なんだろうな、とは思う。

「Confessions of a Pop Group」 スタイル・カウンシル

2014-03-28 00:34:08 | 音楽
80年代後半に、特にここ日本においてはお洒落な音楽として、一部では熱狂的に支持されたポール・ウェラーのスタイル・カウンシルのオリジナルアルバムとしては5枚目にあたる作品。
前述のように、前作、前々作と、洋楽としてはそれなりのヒットを記録した彼らではあったが、さすがにこのアルバムの頃になると、その人気にも陰りが見え始めていたせいか、それほどヒットしなかったように記憶しているが、個人的には、一時期、聞きまくっていた記憶がある思い出深い作品である。

そもそもポール・ウェラーが人気絶頂だったJAMを解散し、このスタイル・カウンシルを始める動機となったのが、固定された音楽的な印象の払拭にあったわけで、それだけに、このスタイル・カウンシルでは様々な音楽に挑戦しようとしていたわけで、そういう部分がお洒落な音楽として認識されてしまったのだが、このアルバムにおける前半の楽曲においては、ピアノを中心とした、ちょっとクラシックぽい楽曲が並んでいて、スタイル・カウンシルのシングルヒット曲ばかり追いかけている人たちには、正直、退屈な印象を持たれるのも仕方ないような内容になっているし、おまけに、その音楽性に、ポール・ウェラーのボーカルは、はっきりいってミスマッチである。
だけど、メロディはそれなりに美しいし、ピアノを中心とした編曲も、癒される部分があったりして、個人的には嫌いではない。
後半は、彼らのヒット曲のイメージを期待した人々を裏切らないようなポップな楽曲が並んでいて、この前半と後半のアンバランスさも、ある意味、彼ららしくていい。

「ベスト・オブ・イエス (1970-1987)」 YES

2014-03-02 01:15:21 | 音楽
YESのベスト盤。
おそらく、契約の関係で、アーチスト側の意向が全く無視されてレコード会社主導で作られたアルバムというのが、容易に想像できる代物である。
そのジャケットといい、選曲といい、何の面白みも無いものになっている。
はっきりいって、この選曲ではYESの入門編としての機能も果たしていない。

こういうものをダサいというのだろう。

「Gravitas」 エイジア

2014-02-28 01:04:14 | 音楽
ASIAのアルバムとしては、久々に期待できそうな作品。

ジャケットは、ひと目でそれとわかるロジャー・ディーンの手になるものだが、パターンが変わらない人だけに、かなりネタ切れかなと思わせるもので、よくよく見ると、ちょっと手抜きの感じがしないでもない。
ASIAのアルバムジャケットといえばロジャー・ディーンではあるが、こういう状態でも変わらず彼を起用し続けるその姿勢は、どうなんだろう?

「イノセント マン」 ビリー・ジョエル

2014-02-13 09:59:36 | 音楽
ビリー・ジョエルといえば、80年代を代表するメロディー・メイカーでありヒット・メイカーである。
当時は、ヒット・メイカーやメロディ・メイカーとしての評価は絶対的で、特に彼の哀愁に満ちたメロディは、ここ日本においては、すごく高い評価と人気を持っていたように思う。
ただ、ビリー・ジョエル本人は、そういう評価には不満があるようで、本人としては、もっと社会性やメッセージ性を強調したかったようで、ベトナム戦争や失業問題を取り上げたアルバムを発表したりしたのだが、イマイチ、そういう点での評価を得ることは出来なかったようだ。

そんな彼が83年に発表したアルバム。
いつまでたってもメッセージ性や社会性に評価が受けられない状況に開き直ったのか、とりあえず自分の好きだった音楽を、リスペクトも含めながら、割と気楽に作ってみました、という感じがするアルバムである。

アルバムの特徴としては、アメリカン・オールディーズの要素満載になり、この中から大ヒットするシングルも連発したし、今となってはビリー・ジョエルの代表作のひとつと評価されているアルバムである。

ただ、個人的には、あまり好きなアルバムではない。

このアルバム発売当時は、今のように音楽を気楽に楽しめる状況ではなく、レコードといえば、私のような一般人には、比較的、高級品といっていいような存在で、月に一回、なけなしの小遣いで一枚購入するのが、やっとという感じであったのだが、そういう状況だけに、友人たちとその月に買うアルバムを相談しあって、お互いに違うアルバムを購入し、お互いに貸しあうということをしていたのだが、このアルバムは、友人が購入して、その友人から借りて聞いたのだが、はっきりいって、そのあまりのつまんなさに、自分が購入しなくてよかったと思ったものである。


「Yesshows」 YES

2014-02-12 13:50:58 | 音楽
80年発表のYESのライブ盤で2枚組み。
今から思えば、YESのライブ盤の出来の悪さは、このアルバムから始まった。

80年といえば、YESはほぼ解散状態のときで、収録されている楽曲は、70年代後半の総括的な意味合いもある。

ライブ盤としては前作「Yessongs」は傑作だった。
ただ、それは当時がYESの全盛期で、その全盛期の楽曲をレコードと寸分違わぬテクで再現したといわれているためで、このアルバムに収録されている楽曲が発表された時期は、解散状態になるくらいだから、けっしていい状態だったわけでなく、それだけに内容も推して知るべしである。

ただ、ライブ用のアレンジで演奏されているだけに、オリジナルもかっこよくなっている楽曲もあるにはある。
そういう点は、評価できる。

佐村河内守 別人作曲問題

2014-02-07 23:51:52 | 音楽
(本文と写真との間には、何の関係もありませんし、何の意味もありません)

全ろうの作曲家佐村河内守の楽曲を全くの別人が作曲していたという問題で、世間は大騒ぎである。
おまけに、誰が作曲していたかという問題だけではなく、全ろうの振りして実は耳は聞こえていたという疑いまで出て来ている。
もう、こうなると佐村河内守に対しての人間性そのものが問題化されているような気がする。

佐村河内守の反論が聞こえてこないので、本当のところはどうなのかわからないが、おそらく、世間で話題になっているように、全くの別人が作曲していたというのが真実だろう。で、それを黙って、いかにも自分が作曲したように偽って、世間を騙し続けてきたのだから、もうそれだけで、その人間性は最悪といわざるえない。
しかも、全ろうでもなかったとなれば、これは詐欺といっていいようなことである。

クラシックは特定の作曲家のものしか聞かないし、ましてや現代の作曲家の作品となるとさっぱりなので、正直、問題になっている一連の作品を聞いたことは無いので、その作品の音楽としての質がどうなのかはわからない。
ただ、一応、音楽好きを自認する人間からすると、これだけは言えるのは、聴衆は、その音楽だけを単純に楽しんでいるのではない。
その音楽の背景というか、バックボーンというか、そういうものも一緒に楽しんでいる。
そういう意味で、この佐村河内守という人の、被爆二世、全ろうという背景は充分すぎるものだし、それゆえに、その音楽が注目を集めるのは、すごく理解できる。
おまけに、その楽曲名が「広島」ということになれば、これはそれだけでかなりの水準をクリアしているといわざるえない。

だが、それだけに、今回の騒動は悪質だと思う。