「万能機列伝」を読む

　「万能機列伝」という本を読みました。第二次世界大戦時の戦闘機などのなかで単一の任務だけでなくオールラウンダーに使用された機体を開設している本です。著者は航空機関する本を多く書かれている方です。

　取り上げられた中には、日本の零式艦上戦闘機もあるのですが、オールラウンダーというとちと苦しいかなと思ってしまいます。戦闘機としての任務の他には、250kg爆弾を搭載して爆戦として使用されたり、特攻機として使用されました。それだけでオールラウンダーというにはどうかなと感じたわけです。

　とりあげられた機体の中で文句なくオールラウンダーはドイツのフォッケウルフFw190とイギリスのデ・ハヴィランド　モスキートの二機種だと思います。Fw190は戦闘機してはイギリスのスピットファイアMkIXが登場するまでは対イギリス戦での航空戦で優位をたもったほか、頑丈な機体を生かして、戦闘攻撃機としても活躍。さらに防御力をアップさせて対爆撃機戦にも活躍しました。

　モスキートは金属製の機体が大部分の中、木製の機体ということで珍しい存在ですが、空気抵抗を少なくしてスピードも速く、爆撃機としても活躍しましたし、レーダーを搭載して夜間戦闘機としても活躍しました。イギリスの勝利につながった機体ともいえるものだと思います。

　なかにはよく知らない機体も紹介されていましたが、なかなか興味深く読むことができました。