トーネードの無職生活

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「最後のナチ メンゲレ」を読む

2017-10-27 10:57:20 | 日記
 「最後のナチ メンゲレ」を読みました。メンゲレとはナチスドイツの親衛隊の医師で、アウシュヴィッツにおいて列車で到着したユダヤ人をガス室送りにするか強制労働させるかの選別を行っていました。また、ユダヤ人を使って様々な実験などもしていたようです。そしてナチスドイツが敗れた後、どのようなルートを使ったのかはよくわからないようですが、南米に渡り戦犯として追及もされたようなのですが、事故死して天寿を全うしたという人物です。

 南米に逃げていたナチの親衛隊員ではアイヒマンが有名です。イスラエルのモサドに見つかって拉致されてイスラエルで裁判にかけられました。同じようにメンゲレも戦犯として追及されたようですが、運がよかったのか、足をつかまれないようにしたのか、協力者のおかげか生き延びてしまいました。

 この本を読んで初めて知ったのですが、メンゲレの協力者の中にドイツ空軍で急降下爆撃機のシュツーカで活躍したルーデル大佐がいたことです。このルーデル大佐はナチスドイツで最高の勲章を得た人物で、ソビエト軍相手にスーパーマンのような大活躍をした人物で、そのような人物が協力者だったことに驚きました。また、メンゲレの実家は工場をもつ裕福な一族だったようで、はっきりとはしませんが、一族からの援助もうけていたようです。

 それにしても、メンゲレのような人物が戦後まだドイツ国内またはヨーロッパのどこかに潜んでいるときに戦犯として捕まえずにいたことは、連合軍の手落ちのように思えてなりません。もっと早くとらえていれば戦犯として絞首刑になっていたことでしょう。

 著者は謎の多いメンゲレの逃亡をミステリーの謎解きのように描き出しています。なかなか面白い一冊でした。