年明け最初の山行は、随分延びて月が満ちる頃となった。
どちらにしても正月三ヶ日は、悪天候に見舞われ、
その後も、ずっと山の天候は回復しなかったようだ。
7日の朝に、やっと晴れ間が広がったが、その頃には霧氷も落ちてしまったと聞いた。
3連休の中日、重い腰を上げて山へと向かった。
出発前まで天気予報は、めまぐるしく変わる。
踏ん切りのつかないまま、満月の月明かりに望みを託す。
今シーズンの雪山は、日曜日を挟んだ前後の一泊二日で入山しているので、随分楽な思いをさせてもらっている。
私の前に、沢山の人が雪面に足跡を刻み、踏み固められたトレースを辿れば良いのだから。
(以前は、ひたすら低気圧通過後の山へ入っていたので、まっさらな雪面に最初の足跡を刻んでいた)
早過ぎる天候の回復は、やっぱり裏目に出た。
山頂近くまで樹木に覆われている石鎚は、樹々が白く着氷しないと、雪山とは思えないほど黒々している。
晴天が2日続くと、石鎚の冬景色は成立しない。
午後三時の山頂は、白地に黒ベタを被せたように意欲を削ぐ風景だった。
その日の冬期山頂避難小屋の宿泊客は二人だった。
宇和島のHさんとは前回に続いて、また御一緒させてもらった。
もう一人の方が、にこやかに「I です」と自己紹介する。
「えっ?」見覚えのない面立ちに首を傾げた。
「スローシャッターです」と言葉を重ねる。
「あぁ」思わず破顔した。
こんなに早くお会いできるとは(笑)
カタックリさん、ありがとうございます。
あなたの仲立ちで、また縁(えにし)が広がってゆきます。
夕方から山上は、ガスに覆われ月明かりを閉ざした。
また、ひとつ希望の芽が潰えてゆく。
マイナス要因を積み重ねるような負の連鎖に、やっぱり今シーズンの運を使い果たしのかと嘆息した。
ところが夜半から、運命を甘受していた歯車が少しづつ逆回転し始めた(笑)
山上に吹き荒れる強風が、樹々の枝先に白い着氷の兆しを記し、発達を促すかのよう。
そして夜明け前、午前6時。
白い雪景色が広がるが、世界も真っ白で重く沈殿している。
ギリ…
運命の歯車が、またしても逆回転した(笑)
午前6時半。
重い空気が沼の底で撹拌されるように、みるみるガスが晴れてゆく。
あっという間に、黎明の雲間に天狗岳の三角錐が浮かび上がる。
そして昇る朝日が一閃の曙光で世界を一変させる。
オレンジ色の光芒に包まれた、めまぐるしい時間の記憶が閃光に目を射抜かれたように欠落している。
夢の余韻に浸りながら下山開始。
3連休最後の日、たくさんの入山者とすれ違った。
わいわいさん、お千代さん御夫妻。
皿ヶ嶺のアイドルNさん。
山の写真ヤ仲間のYさん。
そして、あの幸運な時間を共有した宇和島のHさん、スローシャッターさんとは
固い握手を交わし「また山で会いましょう」と再会を約した。
今シーズン3勝1敗。
misaさん、あなたの仰るように今年はついているかも。
あの三角錐霧の天狗。4枚組。
大きな溜息が出ます。
短い時間のお付き合いでしたが、私にとっては貴重な肥やしになりました。
今後とも宜しく~~
目の覚める景色にため息をつきました。
スローシャッターさんは東稜で私の重い体をサポートしてくださった方。
カタックリさんともつながっているし・・世間は狭い。
やっぱり、泊まらないとダメですね。
ランスケさんの写真の数々
私にとっては夢のまた夢です~。
今年の夢は、なんとか頂上で夜明けを迎える事です。
秋に向けて体調を整えてください。
あっ?40kgを担ぎ上げていたボッカさんに云うセリフではありませんでした(失言)
今シーズンの雪山は、幸運続きですが、
帳尻を合わせるように日々の暮らしでは、年明けから不運の連鎖が続きます。
まぁ、こんなことは気は持ちようですね。
私の不幸など、たかが知れている。
世界に目を向ければ。
それも、なんとか日付が変わる手前でしたが(苦笑)
避難小屋と帰りの車中と、本当は短い時間でしたが、
スローシャッターさんとは長い時間を過ごしたような錯覚を抱いてしまいます。
その話題の豊富さ故でしょうか?
さてお忙しい時間が一段落したら、また山や写真のよもやま話に花を咲かせましょう。
その桁違い植物に対する引出しの豊富さと無条件の愛情には、
二人とも文句なしの敬意を抱いています。
三人とも微妙に自然界に対する指向性は違っても、
溢れる好奇心と想いは一緒だと思います。
お互い、それぞれのフィールドで、これから見えてくるものを
わくわくしながら楽しみましょう(笑)
これからのお二人のホームグランドは、この四国の山々だと思います。
お千代さんの故郷の山、一の森や剣山周辺の撮影は一区切りつけられた様子。
次は、この愛媛の石鎚や皿ヶ嶺周辺だと勝手に推測しています。
山に対するアプローチの仕方は、人それぞれです。
ピークを撮ることばかりが山岳写真では決してありません。
私は、お千代さんの森に対する優しい目線が好きです。
石鎚や皿ヶ嶺も、是非あの目線でお願いします。
女伊達らに真っ暗な登山道を一歩一歩進みます
山頂での泊りが出来ないためヘッドランプを頼りに登るしかなくかじかむ手をさすりながらその時を待ちます、祈りながら・・・・・
3勝7敗といったところでしょうか
三嶺での朝焼けの銀世界は一生の宝と今でも思える。何よりも丸い地球を感じたのですから・
試行錯誤しながらの数年になろうかと思います
ランスケさん、改めて心からのエールを送ります
一勝というより一分けが正解か?
2勝1敗1分。
エールありがとうございます。
私からも、新しい職場での気苦労にエールを贈ります。
山野貴公子さんと同様「幸運、不運も気は持ちよう」
そして「私の不幸など、たかが知れている。世界を取り巻く圧倒的な理不尽さと較べたら」
たまには御主人と息抜きしてね(笑)