![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/d5/1903dcc14e723d3f3ce23801a6ec680b.jpg)
紹介した、いがりまさし氏の写真集が品切れで入手困難なようなので、
氏の著作権に触れないように一点だけ作品を掲載して、
私の花撮影のお手本とする氏の作風を解説してみます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/8a/63b16344426e2c162c8970183b39b778.jpg)
第2写真集「風のけはい」文一総合出版に掲載された「かわらなでしこ」の写真です。
如何ですか?
草叢に咲くカワラナデシコの佇まいを見事に表現した一枚です。
茅(かや)の、しなやかな曲線を前景や背景にあしらい、
草叢を表現する手法は水墨画からの応用でしょうか?
氏の特徴的な表現法で、私もササユリの撮影等で応用させてもらっています。
また、この曲線が「風のそよぎ」や「しなやかさ」を表現し、
花が息づく環境の空気感を感じさせます。
あくまで主役は花です。
ピントは花片や雌しべに合わせ、背景は美しくボカシます。
青緑の濃い目の背景を花片の後ろに持ってくることで、
花が浮き上がってきます。
また風景写真のようにピントを絞り込まないことで
奥行きや花を取り巻く周囲の色合いや空気感を感じさせる美しいボケが生じ、
主役の花をいっそう際立たせてくれます。
おそらく光線は、曇天(高曇り)の柔らかい光を感じさせます。
これに天候によって雨滴や朝露等のアクセサリーが
また花を取り巻く自然環境を表現する重要な要素となります。
でも結局、山野草の撮影にはマニュアルはありません。
その花の咲く環境をよく観察して、その場所が持つ空気感を
ケースバイケースで表現してゆくしかありません。
そのためには唯、ひたすら場数を踏んで幾度も失敗を重ねることです(笑)
![]() | 風のけはい―いがりまさし写真集 |
いがり まさし | |
文一総合出版 |
私がマクロの世界に引き込まれたキッカケが
木原和人「光と風の季節」
かわらなでしこ・・・・鮮やかなブルーの背景にランスケさんのコオニユリ?がダブってしまいました。
今日は穏やかな気持ちで過ごせそうです。
突然降ってわいたような難病の宣告に戸惑われていることでしょう…
どうかお優しい御主人と一緒に辛い療養生活を乗り越えてください。
木原和人!
いがりまさしと共にお手本としていた、もう一人の植物写真家です。
例えば山と渓谷社の「日本の野草図鑑」を開いてみると、
あきらかに木原和人の写真は異彩を放っています。
植物の形態的特徴を忠実に写し出すことを要求される図鑑の撮影においても、
彼は「植物の持つ美質」から目を背けることが出来ないのでしょう(笑)
今でも忘れられないのは、秋の野草の叢を写し取った写真です。
野菊やキリンソウにミズヒキ等の秋の花々が、どれが主役ということもなく写し取られています。
まだ朝日が昇る前の世界が青味を帯びた時刻。
びっしり朝露を纏った花々は、溢れる光に輝くこともなく透き通るような朝の冷気のなかで、
水底にゆらぐアクアブルーの美しさを湛えています。
彼、木原和人の花風景は、いがりまさし以上に叙情的ですね(笑)
misaさんの切り取る写真世界にも似ています。
あぁ、あのコオニユリの写真を憶えていてくれましたか。
確かにカワラナデシコとよく似た構図です。
たぶんに、この写真が頭の中にあったのでしょうね(笑)
また穏やかに過ごせる一日が訪れたとき、お便りもらえると嬉しいです。
誰か他の人と勘違いされているのでしょうか?
いがりさんの公式サイトを以下に貼っておきます。
こちらからCDや最新著作を購入できるのではないかと思います。
問い合わせてみてください。
http://www.plantsindex.com/