Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

秋は夕暮れ

2012-10-30 | 風景

 

秋は夕暮れ 夕日のさして

山の端 いと近うなりたるに

烏の寝所へ行くとて

三つ四つ 二つ三つなど

飛び急ぐさへあはれなり

まいて雁などの連ねたるが

いと小さくみゆるは

いとをかし…… 

    

千年前に清少納言が夕暮れの風景に吐息を洩らしたように、

暮れゆく秋の黄昏の光は、魂をうばわれるような美しい光を放ち風景を際立たせる。


その日、傾いてゆく午後の陽射しが、あまりに風景を美しく照らすので、ジッとしていられなくなった。

読んでいた本を放り出し、山裾(やますそ)近く野菊の群れ咲く野辺へと急いだ。

出発したのが午後二時を廻った時刻。

なんとか、その谷津は山影に沈む手前で留まり、黄金色の光に包まれていた。

それも僅かの時間だった。

山の端に落ちてゆく夕陽と追いかけっこをするように、

翳ってゆく光のロンド(輪舞)の渦中をぐるぐる。

 



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2 コメント

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ものの哀れ (鬼城)
2012-11-01 19:09:43
秋と聞くとなぜか、もの悲しい雰囲気になります。
しかし、一年の中で一番好きな季節です。
その移りゆく季節を何のてらいも無く、写真に切り取るセンスは素晴らしいです。
やはり芸術は感性ですね。
自分はランスケさんの写真を見ながら、奥深さを感じています。
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瓶ヶ森より (ランスケ)
2012-11-02 05:57:39
おはようございます。
瓶ヶ森にいます。
気温-2℃、ガスに覆われ樹には霧氷がついています。
後は視界が晴れるのを待つばかり。

私などより、鬼城さんの宇和島歳時記の方が、ずっと凄い。
猿田彦の神事なんて目を見張りました。
あの早乙女の舞は優雅ですね。

さて、お山の神様は微笑むでしょうか?
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