秋は夕暮れ 夕日のさして
山の端 いと近うなりたるに
烏の寝所へ行くとて
三つ四つ 二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり
まいて雁などの連ねたるが
いと小さくみゆるは
いとをかし……
千年前に清少納言が夕暮れの風景に吐息を洩らしたように、
暮れゆく秋の黄昏の光は、魂をうばわれるような美しい光を放ち風景を際立たせる。
その日、傾いてゆく午後の陽射しが、あまりに風景を美しく照らすので、ジッとしていられなくなった。
読んでいた本を放り出し、山裾(やますそ)近く野菊の群れ咲く野辺へと急いだ。
出発したのが午後二時を廻った時刻。
なんとか、その谷津は山影に沈む手前で留まり、黄金色の光に包まれていた。
それも僅かの時間だった。
山の端に落ちてゆく夕陽と追いかけっこをするように、
翳ってゆく光のロンド(輪舞)の渦中をぐるぐる。
しかし、一年の中で一番好きな季節です。
その移りゆく季節を何のてらいも無く、写真に切り取るセンスは素晴らしいです。
やはり芸術は感性ですね。
自分はランスケさんの写真を見ながら、奥深さを感じています。
瓶ヶ森にいます。
気温-2℃、ガスに覆われ樹には霧氷がついています。
後は視界が晴れるのを待つばかり。
私などより、鬼城さんの宇和島歳時記の方が、ずっと凄い。
猿田彦の神事なんて目を見張りました。
あの早乙女の舞は優雅ですね。
さて、お山の神様は微笑むでしょうか?