
今夜も眠れない…
じっとしていると、止め処もない想いが溢れ、身を切られるような切なさに苛まれるばかり。
意識的に心を閉ざすよう心掛けている。
普段観ないようなTV番組を深夜まで眺め、疲れて眠るまで本の字面を追う。
ブログ記事「嚥下できない」を書き上げた後、病院を訪れ担当医の説明を聞いた。
頭では納得していたものの「原因不明の高熱と意識障害があり予断を許さない。
高齢であること、嚥下障害による体力低下もある…考えられる処置は施すが覚悟は
しておいてほしい」と告げられた。
頭とは別なところで身体が反応する。
あれ以来、シクシク、キリキリ刺すような胃の痛みに苛まれる。
慢性的な胃痛にフラッシュバックのように脳裏に甦る母と過ごした記憶の断片。
今夜も、そんな長い夜をやり過ごした。
読書灯の明かりを消してカーテンを開けると
懐かしい青い光が室内(へや)に溢れる。
そうか、もう月が満ちてきたのか?
青い月明かりに身を浸し横たわると、
慎ましい虫の音が聴こえる…チンチン、スィーまだ控えめな秋の声。
母も病院の照明を落とした部屋で、この月明かりに青く沈んでいるのだろうか?
二日ばかり前から、母は目を覚ますことがほとんどなくなった。
一日の大半を昏睡状態のように深く眠り続ける。
その痩せ細った手を、そっと握っても
その乾いた唇を冷たい水を含んだガーゼで湿しても
何の反応も返ってこない。
母の心は、もう此処にはない。
生きてゆくための意志が消えかけている。
私の想像以上に父の不在は、母の孤独を際立たせ淋しさを募らせた。
決っして私では埋められない長い歳月の絆が二人にはあったようだ。
もう母を楽にさせてあげよう…
昨日、私は医師に「延命治療はやめてください」と告げた。
遠い場所に暮らす兄や甥や姪も呼び寄せた。
彼らは今日、母に会いにやって来る。
私も満ちてゆく月夜を歩きながら
あの懐かしい場所に立たれるお母様の穏やかなお顔を想像し安堵していましたのに・・・
居なくなってしまったら・・というランスケさんの言葉を胸に一日一日介護してきました
何よりも両親の心からの笑顔が疲れた私の心身の支えとなり
幸運にも就職が決まったところです
これ以上、何をどう言葉にすればいいのか。。
勇気が要ったと思います。
ありがとうございました。
misaさんの優しい思いやりが心に沁みます。
今日、東京から兄や孫たちが母に会いにやって来ました。
あれほど深い眠りにあって目を覚ますことのなかった母が
呼びかけに応じて目を開きました。
尚且つ、握っていた手をかすかに握り返したと云います。
ほんの短い間でしたが、孫たちのピュアな想いが眠り姫?
のような母のフリーズドライされた意識を呼び覚ましたようです。
「イノセントな邂逅」だったと兄も洩らしていました。
そう母の意識は幼児期から誕生間もない赤ん坊くらい
まで退行しているのです。
もう、そこでは言葉による意思疎通は叶いません。