今日は雨。
入院してから一週間が経過した。
病院で過ごす時間は、あわあわと過ぎてゆく。
夢と現(うつつ)の境をたゆたうような、定かでない時間が流れている。
網膜の先に紗のかかったような半覚醒の状態で字面を追う。
そんな曖昧な認識が、そのまま文体に宿ったような不思議な世界と出会った。
例えば、こんな文章…
昏黒(こんこく)がかるなか、
吹きおろす山風が葉をそよがせる。
そうそうに散った葉がかさこそ走る。
葉をしなわす音の強さに驚く。
闇に目が馴れる頃、雲間からとろとろした月が映じ、
木立、古木立、落葉樹があわあわともみじして
そのぴんと張った一葉一葉があからむ。
だがあと一刷毛たりない。
風景を喚起する言葉が粒たってくる。
それは、植物やケモノや風や人でないものを含み、イメージを喚起してゆく。
とても馴染み深い風景だ。
山で過ごす朝夕の、世界が曖昧な境界に揺れる時間、
森羅万象の気配が、汽水域を越えるように濃密な気配を漂わせる。
これは古来より私たちが意識の深い処で、脈々と受け継いできた馴染みの風景だろう。
近いところでは、内田百や川上弘美に文体が似ている。
そういえば、朝吹真理子のプロフィールを見ると、
ドゥマゴ文学賞(堀江敏幸選)と芥川賞を受賞した経緯も川上弘美と似ている。
それと170cmを越える飛び抜けた身体もね(笑)
芥川賞受賞では同時受賞した田中慎弥との特異な毛色の違いが話題になった。
その話題が先行し過ぎてマスコミが
朝吹真理子の育ちの良さばかり取り上げて、その才能をやっかみ半分
貶めているのもマイナス要因だった。
本を購入してから長い間、この作家の文章に触れなかったことを後悔している。
間違いなく新しい才能だと思う。
流跡 | |
朝吹 真理子 | |
新潮社 |
きことわ | |
朝吹 真理子 | |
新潮社 |
伊達博物館で鬼城さんのレクチャーが聴けないと思うと残念というか寂しいですね。
春からは、また新たな日本国中を巡る鬼城さんの民俗学の旅を楽しみにしています。
入院生活は、頭を切り替える好い充電期間だと割り切りました。
色んな本を読み漁るつもり(笑)
さて春から何をしょうか?
充電期間に妄想を膨らませます。
再度のお見舞いありがとうございます。
昨年は昔の同僚がアキレス断裂、足首の筋裂傷、そしてバイクが倒れ、その下敷きで骨折と3件続きました。
ランスケさんは知り合いから言うと4人目になります。
治癒した後のリハビリが大事だと聞いています。
とにかく、治癒するまでゆっくりと休んでください。
読書、次の写真の計画、山行など・・・
引き継ぎで身動きとれないのでお見舞いにも行けず申し訳ありません。
山から無理して降りてきたにしては骨折した部位の骨が欠けることもなく
ピタリと接合したと手術に当たった先生も言っていました。
たぶんテーピングで固定したのが良かったのでしょうね。
流雲さんも、山では何があるか判らないのでテープは常備しておいてください。
カタックリさんや骨折経験のある人の話を聞くと2週間というのは、
最低単位で、ある程度自力歩行が可能になるには1カ月くらいは掛かるようです。
まぁ無理しないで、気長に構えます(笑)
単調な入院生活では持ち込んだPCによる皆さんの画像が楽しみです。
風雪流雲さん、ご活躍を楽しみにしています。
この冬の復帰は難しいとのことですが春の山ではお会いできるものと思っています。
山に関しても写真に関してもアドバイスできるような力量を持ち得ていませんが回復されて復帰されることを願っています。
ゆっくり骨休みしてください。
また、山でお会いできることを楽しみにしています。
コメント欄では具体的なアドヴァイスが出来なくて上手く伝わっていないという思いが強かったので、
今回PCの画像を見ながら具体的なカメラワークを指摘出来て安心しました。
私自身が何度も失敗を重ねてきているので、いけぴーさんの戸惑いや失敗がよく理解できます。
そしてなるほど、あの写真がピントが甘い原因もよく判りました。
伝説の風景に、いきなり出会ってしまったプレッシャー辛いよね。
しばらくは、どんな風景を観ても物足りないかもしれないけど、
また次回の作品を楽しみにしています。
今朝の成就社ライブカメラを見ると、また山は雪だったようだよ。
福島さん、お見舞い電話ありがとうございます。
三浦さんに負けないように、また山へ通ってください。
お山の主が、石鎚にいないと皆さんが寂しがります。
皆さん、福島さんの写真集は、松山のアウトドアショップ、コンパスや
4月から小屋開きする頂上山荘や土小屋ロッジ、成就社の白石旅館でも購入できます。
足が悪くて動けないので、本の差し入れが何より嬉しかったです。
ホッホさんからも数冊差し入れてもらっているんで、予定通りだと、後一週間(たぶん無理でしょう)
これで退屈しないで済みそうです。
それと病院を訪れたことで、偶然に私の入院を知ったカタックリさん、
わざわざ病室を訪ねてくれて恐縮です。
母の入院の時もそうでしたが、この病院は何かと縁があるようです(笑)
あっ?間もなく亡き母の誕生日です。