陽も高いこんな時刻に行っても、期待薄と承知していた。
それでも日盛りの夏風景を象徴する橡(クヌギ)の樹液に集まる昆虫たちを撮影しておきたかった。
まず橡食堂の食客たちの内、常連というか長っ尻の居続け状態なのがカナブンだろう。
ほとんど例外なく樹液の出ている樹には、カナブンの姿を見る。
鮮やかなメタリックグリーンのアオカナブンなんか見つけると少し嬉しい。
兜虫(カブトムシ)や鍬形(クワガタ)は人気が高いせいか、とんと見なくなった。
今夏、観られたのは、兜虫の♀と小鍬形の♂と♀だけ。
橡食堂で出会った蝶は瑠璃蛺蝶(ルリタテハ)だった。
季節としては少し遅過ぎるが、国蝶の大紫蝶(オオムラサキ)の艶やかな姿とも巡り会いたかった。
その代わりというか小紫蝶(コムラサキ)♀と出会った。
そう云えば、鮮やかな青い鳥たちにしても、例えばオオルリもルリビタキも♀は地味な褐色系だ。
蝶にしても同んなじで、オオムラサキやコムラサキの♂が鮮やかな紫色に対して♀は地味な褐色系。
そして橡食堂は、階級社会だ。
歴然とした力関係が支配している。
最上位は兜虫だろう。大きな個体は樹液の食餌に優先的にありつける。
でもスズメバチは結構強力だな。コクワガタなんかは完全に負けている。
そのクワガタのなかでも小さいコクワガタの♀は、自分より大きいカナブンに対しては、常に威嚇的で優位だ。
蝶はサイズは大きいのだが力関係は、ずいぶん弱そうだ。
カナブンなんか最も弱い立場だけど、ずっと居続けているので、結局一番旺盛な食客といえるかもしれない(笑)
生物界は御存知の通り、個体の力関係において食餌の優先順位はあっても、最も力の弱いものまで平等に食餌にありつける。
そこは資源や富が、国や人種や民族のパワーゲームにおいて偏財する強欲な人とはずいぶん違う。
今回ちょっと拾い物だったのが、玉虫(タマムシ)との出会い。
本来この虫は橡食堂の食客ではない。(榎に集まる)
それが何を思ったか橡の幹回りをぐるぐる廻って離れない。
間近で観察すると尋常でない緑の光彩を放つ。
確か正倉院には玉虫の翅を張り合わせた宝塔(玉虫厨子)があったはず。
でも力の強い種が最も生存能力があるかと云うと、そうとも云えないところが面白いですね。
夏季限定、橡食堂において、私の観察した範囲ではカナブンくんたちが外敵に襲われることもなく我が世の春とマイペースで樹液の食餌に勤しんでいました。
人間でも、こういう人いますよね(笑)
映画は、ちょっとウルサイです(笑)
なにせ中学生の頃から映画館に通い年間100本くらい観ています。
成人してからは、さすがにブランクがありましたが、現在はレンタルビデオ屋さんに通い、その間の穴を埋めています。
鬼城さんも、相当の映画通の様子。
その多方面に渡る豊かな見識には何時も驚いています。
今度、ゆっくりと映画を含めた歓談の場を持ちたいですね。
愉しみにしています。
しかし、ランスケさんの趣味の奥深さは計り知れないものがあります。この昆虫写真も勿論ながら、映画などは、私も好きですがついて行けない深さです。(笑い)