Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

Dog life 犬のくらし

2017-03-15 | Walk on

 

今日も海へ散歩に出かけた。

何かをきっかけにして、同じところに通う習性があるようだ。

3.11 に寄せる一連の写真に、何か手掛かりのようなものを感じたのだろうか?

河口が間近になったところで一匹の犬が前方を歩いていた。

海に向かい真っ直ぐ歩む、その後ろ姿が、妙に凛々しい。

自転車を道路側面に転がして、カメラをセット。

再び、犬に視線を戻すと、道路脇の原っぱに寝転がっている。

ファインダー越しに、どう狙っても、あの凛々しさは霧散してしまった。

振り返ると、もう一匹いる。

警戒するように私を見ている。

この2匹はペアで生きている野犬のようだ。

海に向かっていた犬が、パートナーの意志を察知したかのように、

私の側を、耳を立て、猜疑心と怯えの混じった眼差しで通り過ぎてゆく。

二匹は合流して土手を下って河原に消えた。

首輪を外し鎖から逃れた犬にも自由はある。

あの猜疑心と怯えの混じった眼差しは、苛酷な犬のくらしを想像させる。

衣食住足りて、尻尾を振り続ける犬のくらしの方が幸せなのだろうか?

海に延びた砂州を今日も歩いた。

飛び立つ千鳥の群れや間もなく遠くへ旅立つ鴨たちにも

生きてゆくことは苛酷だが、大空を羽ばたく自由はある。

帰路、犬は河原で、暖かな陽射しを浴びて長閑に寝転んでいた。

 

〆森山大道と藤原新也へオマージュを込めて〆

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
爆弾会見 (ランスケ)
2017-03-15 23:05:43
籠池理事長の辞任で幕引きかと思っていると、
ベストセラー「日本会議の研究」の菅野完が籠池理事長の代理人になって大勢のメディアを前にして緊急会見。

http://news.livedoor.com/article/detail/12803126/

すっかり腰が引けたメディアに代わって、身を挺して告発する菅野完は称賛に価する。
籠池理事長も腹を括ったようだ。
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善悪 (鬼城)
2017-03-16 07:38:00
最近のニュース番組を見ると気分が悪くなる。開き直り、自己中心の物言い・・・今朝の愛媛新聞では、今治の大学誘致の土地提供まで国会に上がったようだ。宇和島も火が付くかもしれない。悲惨の事故の反省もされない。この国は何処へ行くのか?空飛ぶ鳥、鎖を外した犬・・・自由なんだろうか?いっそ聴いてみたい気がする。
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野犬という被写体 (ランスケ)
2017-03-16 15:19:47
日本という国は、善きにつけ悪しきにつけ横並びの社会なのだと痛感しています。
周囲を見渡して皆と同じことをすることを善とし、そこから浮いてしまうことを何より恐れます。
戦後からの復興と高度成長期は、それが良い形で作用しました。
でもそれが、いざ戦争となると、火の玉一丸、一億総玉砕となって破滅まで突っ走ります。

周囲と同調することは、生物の戦略として間違っていないと思います。
ミラーニューロンやシンクロニシティは、それを証明しています。
唯、それも状況によってケースバイケースなのではないのでしょうか?
震災以降の日本の退行現象を見ていると痛感します。
強いものに従い、それに依存することで安心を得る父権的な儒教社会への復古なのでしょうね。

敗戦後、民主主義教育による再生のために、
子供たちを戦地へ送り出した悔恨から、教育勅語に代表される戦前の教育を葬り去ったはずなのに。
また教育勅語を礼賛する言葉を平気で吐く教育者がいることが信じられません。
それを言ってしまったら、教育者としての敗北でしょう。

森友学園問題は、そんな日本の社会を蝕む癌細胞のような病根の露呈ですね。
これを今の段階で断たないと、取り返しのつかないことになってしまいますよ。

野犬の存在は、被写体として面白いと思いました。
全国を覆う愛玩動物ブームの結果ですよね。
飼い主が放置した犬たちは群れをつくり、北関東では完全に野生化して
鹿とか他の動物を集団で狩るそうです。
明治期に一度絶滅した狼や山犬が、形を変えて復活している先祖返りの姿なのでしょうか?
(オオカミやジャッカルのようなイヌ科動物の習性を考えると、これが本来の姿だと思います)

松山市内も重信川の川床の藪に、幾つかの野犬の群れがいます。
一度、夜間の帰宅時に土手で遭遇して襲われたこともありました。

末尾に記した森山大道と藤原新也は、野犬の持つ生々しい姿を表現した稀有な写真家です。
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瓦解の予兆? (ランスケ)
2017-03-16 22:35:58
あれだけ強権だと思われていた安倍政権も、綻びが見えてくると意外と脆いものなのですね。
毎日毎日、出て来るわ、出て来るわ…
日本会議取り巻きの強面の皆さんも、掌を返したような責任転嫁合戦。

内田樹
✔ ‎@levinassien
寄付金と日報隠蔽が暴露。毎日のように「暴露」の連鎖ですが、
これはどれも「内部告発」の筋に分類していいと思います。
「泥舟」が沈みかけてきたので、「そばづえ」を嫌う周辺の人たちが「システム」を見限り始めている。
今惰性と「見返り」期待で相変わらず「忠義面」をしている人たちが、
どのタイミングで保身のために「安倍離れ」を演じるようになるか、けっこう楽しみです。


布施祐仁 ‎@yujinfuse

稲田大臣が特別監察で「時間稼ぎ」をしようとしても、こうやって内部からのリークで次々と情報が出てくる。
これは防衛省・自衛隊内部からの一種の「反乱」じゃないかな…。
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司馬遷「史記」より (ランスケ)
2017-03-17 12:38:46
なかなか含意のあるツイートだ(笑)

小路‏ @komichi2 · 6時間6時間前

安倍政権下の日本人は間抜けというより、
「長い物には巻かれろ」の奴隷・負け犬根性が完全に染みついてしまっている、
というような気がしますね。
「王が王であるのは、奴が奴であるからだ」という言葉を思い出します。

間抜けと言えば。
なんか司馬遷「史記」にあった、始皇帝死後の秦国の「馬鹿」のエピソードと同じ状態になっている
のではないかなあ、と。
権力者が明らかに事実と異なることを言っても、皆が権力者や多数派を恐れて萎縮して、
指摘できないし、逆らえないという。その意味で、日本は「馬鹿」の国に!?
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歴史の傷と向き合う時期 (ランスケ)
2017-03-18 00:09:47
森友学園の問題も元を質せば、敗戦後、日本人が自分たちが負った傷(トラウマ)と真面に向き合わないで放置して来たからだと思う。
だから、いつまで経っても、この問題は堂々巡りを繰り返す。
それは震災後の原発事故の問題でも同様だった。
今日、やっと前橋地裁が東電と国の責任を一部認める画期的な判決を示した。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170317/k10010915341000.html

確かに、どこの国にも自分たちに都合のいいナショナルヒストリーは存在するが、
そろそろ、自分たちの傷(トラウマ)と向きう時期ではないだろうか?

Naoko ‎@konahiyo

歴史の講義みたいだが、防衛大臣の認識を質す、深く意味のある問いだった。
答弁は問いの深さに比してあまりに浅かったが。
慰安婦と南京事件についても、民進党議員からこのようなしっかりした認識と質疑が聞けたことが嬉しい。

https://www.youtube.com/watch?v=uB4RDvB7T78&sns=tw
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