皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
ここ3日間匂い袋による黄変しみの記事を書きましたがお客様のご希望で
匂い袋の黄変事故の事を皆さんに知らせて欲しいとのご依頼を受けたので
コラムを書きます。
ここ3日間の掲載記事の画像です。
付け下げ 2018年8月22日記事 画像
絽縮緬小紋 付け下げ 2018年8月21日記事 画像
絽小紋 2018年8月20日記事 画像
法衣 2016年10月20日記事
これもお坊さんの寒修行で着用する法衣に携帯するお香を入れる匂い袋が原因の事例でした。
京都市染織試験場 技術相談室(現 地方独立行政法人 京都市産業技術研究所)が
平成5年3月発行の「そこが知りたい Q&A和装染織品の故障防止のために」のなかに
匂い袋による黄変の記事が掲載していたのでご紹介します。
そこが知りたい Q&A和装染織品の故障防止のために
掲載記事
たんすの中にしまっておいた夏帯が部分的に」黄色く変色しました。
香料のような匂いがしますが、まだ一度も着用していません。
原因を教えてください。(匂い袋による黄変)
御質問の変色は、保管中の帯と一緒にしまわれて匂い袋による黄変事故の可能性が高いと
考えます。
見の廻りはまさに香り商品で満ちあふれ、香りは私達の生活の中でも深いかかわりを持つよう
になりました。今回の故障もこうした社会環境の変化の中で発生した故障といえます。
衣類保管時に、この種の匂い袋を使用するようになったのは、いつの頃か分かりませんが、
当場で御質問のような黄変事例が目立つようになったのは、ここ3~4年前からのことです。
そのいずれもが、保管中に商品の上に乗せていた匂い袋が絡んだ故障です。(写真1)
これらの事例に共通して見られるのは、次のような現象です。
① 白地や淡色の商品に多く見られ、明るい黄色に変色するものが多い。
② 黄変部分には特有の匂いが強く残っている。
③ 布の重なる部分では、黄変が下まで及んでいるものが多い。その場合、素材や加工の違い
によって、黄変程度に大きな差が生じることがある。
④ 黄変の周辺部はぼやけている。
御質問の事例でも、ほぼ同様の状況が観察されろところから、やはり、匂い袋から出るガス成分
の影響ではないかと考えています。しかし、現在のところこの問題について、まだ因果関係を
化学的に解明するまでには至っていません。
ただ、匂い袋の使用実態を見ると、より匂いの効果を求めることから、匂い袋に表示された
使用上の注意が正しく守られていない事例が多いのも事実です。
たんすの中は密閉されている中に匂い袋から発生しているガスが原因の故障ですので
匂い袋と着物を同じ密閉空間で保管するのはやめましょうという結果になります。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
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