皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!
紬の新反を仕立て前に、当ブログをご覧になり、湯通しをした方が
良いのかを相談にいらっしゃいました。
越後紬新反
越後紬のラベルが貼ってありますが、新潟県の小地谷や十日町地方で産出している紬です。
「札幌きものあそび」
先日参加したイベント「札幌きものあそび」で着物のお手入れについて講演いたしました。
講演内容の一部で湯通しについての解説をしました。
仕立て前のお手入れ
下準備湯通しについて 販売者目線ではなく加工屋目線で
湯通しとは・・・読んで字の通り、と言いたい所ですが、関西方面では、「ふかし」または「地直し」と言うとありますが、語源を詮索する必要はありません。
大切な事は湯通しが着物の将来のどれだけ重要である事を知る事が必要です。
湯通しとは、染めや、織が完成した品物を水またはお湯の中に入れそれまでの
製作工程で使用している糊、油成分、繊維に染着さされていない余分な染料を
綺麗に洗い流し出す作業の事を言います。かつては京都の風物詩と言われた、
加茂川、桂川の友禅流しと表現されていました。充分に水洗い(水元)を
してある染は未染着の染料は有りません。
湯通しは反物から着物になる為の大切な儀式になります。
着物の成衣式と考えて良いと思います。
特に大島紬、結城紬、等の先染物は織る工程で糸の摩擦と毛羽立ちを防ぐ為に
糊や潤滑油の油成分をかなり多量に使用しています。
これらの成分は織上がるまでは糸を守るために重要でありますが織上がってしまえば
全く必要がありません。それどころか湯通しをせずに着物を仕立て様とすると仕立屋さんも
硬くて縫いにくいですし、着用後に雨等の水だけでもしみになり、しみ抜き作業を行えば際づき
(輪じみ・輪取り)が出来てしまいます。
中には生地に染着されていない染料が流れ出しますし、湿気が多い場所での保管によりカビが
発生しますし、着用後の生しわが発生しても戻りませんし、着用しては硬くて着心地が良く
ありませんので湯通ししていない着物は良い事は一つもありません。
しかし現在の消費者や販売業者も湯通しを知りません。
湯通しで大島紬の艶が消えたと言って弁償問題に発展した例もあったそうです。
みけし きものお手入れ講座 小出富勝著 昭和63年8月 より抜粋
後染めの物は染色の結果が分かります。染色後の水洗い(水元)が悪ければ色が流れ出ますし、
伊勢の型紙を使用した作家物の小紋等は染色後の染ムラを作家さん自身で刷毛にて染色補正を
行っていますので作家物の小紋の洗い張りを京都の悉皆屋に依頼すると小紋の染色補正が
落ちるので、着物に染ムラが発生してクレームが発生する為に作家物の小紋の洗い張りを
断っています。実際に湯通しの画像を交えると理解が深まると思います。
越後紬湯通し中
洗剤と酵素剤を入れて湯通しすると織る工程で毛羽立ちや糸切れを防ぐ為に使用している
多量の糊や潤滑油の油成が生地から剥離して洗浄液中に出てきます。
越後紬 乾燥中
紬はテンションを掛けて織っているので、湯通しをすると収縮する為に乾燥時は
テンションを掛けて乾燥する必要があります。
越後紬 仕上げ後
テンター機を2度掛けて生地の地の目を伸ばしてて仕上げました。
生地も柔らかくなり仕立て屋さんの縫いやすいと思います。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
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