皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!
クリーニング店から泥はねの様な黒いしみが付いた男物浴衣と作り帯のしみ抜きと
クリーニングの依頼を受け当店にしみ抜きをして欲しいとのご依頼です。
男物浴衣(Wa Fume製)
男物浴衣(Wa Fume製)品質表示
素材 ポリエステル65%綿35%です。
洗濯表示 液温は40 ℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止タンブル乾燥禁止、日陰のつり干しがよい、当て布をして底面温度160 ℃を限度としてアイロン仕上ができる、ドライクリーニング禁止、非常に弱い操作によるウエットクリーニングができるなっています。
男物浴衣(Wa Fume製)上前 黒カビ
男物浴衣(Wa Fume製)後身頃裾 黒カビ
男物浴衣(Wa Fume製)下前 黒カビ
裾周りの黒いしみですが、泥はねと判断して、泥はねのしみ抜きを行いました。
男物作り帯(Wa Fume製)
男物作り帯(Wa Fume製)黒カビ・赤カビ
帯には赤いしみもありました。
男物浴衣(Wa Fume製)上前裾 しみ抜き・全体漂白後
泥はねと思い込みしみ抜き作業を行っても30%~50%位落ちませんでした、泥はねしみに違和感を感じながら黒い汚れが広範囲の為に、カーボン汚れや油汚れを落とす作業服の洗い方を行いましたが黒い汚れの部分は除去出来ませんでした。強力しみ抜き剤とランドリー・ウエット用前処理剤で袖、裾汚れの除去剤を併用してかなり強力にしみ抜きしても70%位しか除去出来ませんでした。泥はねがこんなに落ちないとは考えられずに、最後の手段として少し強く黄変抜き(酸化漂白)を行うと黒い汚れしみを除去する事が出来ました。自分もついに焼きが回ったのかと感じてましたが、泥はねに似た黒いしみは黒カビだった事が判明しました。広幅の洋服生地でミシン仕立ての浴衣で、生地に糊がたっぷりと付いていて、雨に当たってすぐにカビが発生してと考えられました。長年この仕事に携わって来て、落ち込むことよりも、また一つの事例を自らの知識にアップデート出来た事に改めて喜びを感じました。
男物浴衣(Wa Fume製)後身頃裾 しみ抜き・全体漂白後
男物浴衣(Wa Fume製)下前裾 しみ抜き・全体漂白後
男物浴衣(Wa Fume製)仕上がり後
とても綺麗に仕上がりました。
男物作り帯(Wa Fume製)しみ抜き・全体漂白後
こちらのカビのしみも綺麗に落ちました。
男物作り帯(Wa Fume製)仕上げ後
綺麗に仕上がりました。
今回の浴衣と作り帯の黒カビと赤カビのしみですが長年の経験があり泥はねと思い込んだ事を
反省し、状況を正しく理解するには、細部と俯瞰、双方からの確認が欠かせない事を肝に銘じて
しみ抜きとクリーニングの仕事の自己研鑽を怠らず、新しい技術に挑戦し続けています。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
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