皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!
プラダアウターのクリーニングを依頼され、自社工場でウエットクリーニングで
処理して納品前検品した所、衿の部分が白くなっていたので、しみ抜きをして
欲しいとのご依頼です。
プラダアウター
プラダアウター 品質表示
本体 綿100% フードリサイクルポリアミド(ナイロン)
洗濯表示 液温は40 ℃を限度とし、手洗いができる、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、
タンブル乾燥禁止、日陰のつり干しがよい、底面温度120 ℃を限度としてアイロン仕上げができる、
ドライクリーニング禁止、ウエットクリーニング禁止となっています。
プラダアウター裏側
裏側を見ると縫製していなくて接着布で張り付けています。
数年前からダウンジャケットのキルティング部分に縫い目がなくテープで貼ったような
仕様で作られたダウンジャケットが人気です。こうしたダウンジャケットは「圧着加工」や
「ノーステッチ加工」や「シームレス加工」と言って、縫い目が無いことにより機能性を
高めています。 しかし、この加工には大きな弱点があるのをご存知でしょうか?
機能的側面だけを見れば優れた商品と言えますが、その機能を生み出す為の製造方法に問題が
あります。問題の箇所は圧着してある部分で、圧着に用いられる樹脂に「ポリウレタン」が
使用されているケースが多く、着用状態などにもよりますが3年程で圧着部分が剥がれてくる
可能性が高いです。ポリウレタンというのは、空気中の水分や熱や紫外線など生活するうえで
避けられない環境の中で少しずつ成分が分解され必ず劣化する、3年程で寿命を迎える素材です。
ポリウレタンが用いられた衣料品としてはシームレスダウン以外にも「合成皮革」や「人工皮革」、
伸縮性のあるストレッチ素材が用いられたパンツなどが流通しています。
これらポリウレタンが用いられた衣料品は全て製造から劣化がスタートしていますので、
その点においても非常に注意が必要です。
詳しくは東京都クリーニング生活衛生同業組合の下記を参考にして下さい。
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https://www.tokyo929.or.jp/column/buy/post_130.php
接着布がドライクリーニング溶剤に弱いので洗濯表示のドライクリーニング✕もうなずけます。
プラダアウター衿 スレ(擦れ・白け・白化現象)
アウターの表地は綿100%ですが、裏面に水を通さない樹脂生地を張り合わせいる為に
強力な撥水加工となっています。衿の部分が皮脂や汚れが付着していて、ウエットクリーニング
では汚れが除去出来なかったと考え、油性処理と水処理を行っても、60%位しか除去出来ません
でしたので、生地のスレ(擦れ・白け・白化現象)になる為にスレ直しと色掛け(色修正・染色補正・
染直し・部分染)を行いました。
プラダアウター スレ直しと色掛け(色修正・染色補正・染直し・部分染)後
綺麗に仕上がりました。
ハイブランド品、クリーニングに適さない撥水素材生地、縫製せずに接着布で張り合わせる
仕立て、クリーニングは洗えない品物をどの様にメンテナンスしていくか、従来の洗い方や
仕上方が通用しなくなって来ています、以前航空会社のエアードゥがLCCの台頭で経営破綻して
航空機に「試される大地 北海道」のロゴを付けてANAの支援の元再生していきました。
現在は「その先の、道へ。北海道」のロゴに変わっています。
我々の業界も「試される業界 クリーニング」ですが「その先の、道へ。クリーニング」と
原点に返って前を向き一歩一歩進んで行きましょう。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
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メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
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