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創業106周年きものと洋服のお手入れ専門店 一級染色技能士の仕事事例と日常生活

洗い張り 解きは縫いの思い出

2021年04月20日 | 山三 三ツ屋染舗について

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!

昨日洗い張りの下準備の解き・は縫いの記事を書きましたが

現在、成人式の振袖、卒業式の袴、夏の浴衣、結婚式の打掛や

銀座のホステスさんの和装、相撲や歌舞伎の和装と身近では無くなりつつ

ある着物ですが、戦時中から戦後の食糧不足の時代に着物を農家に持ち込み

食料に換えて生き延びて来た歴史もあります。私自身も染屋で生を受けて育って

来たした。身近にお客様の着物があり、両親が洗い張りの為の洗い仕上げの為の

手次(てつぎ)や仕上げ工程の湯のし、手のし、伸子張りを行っていました。

洗い張りは仕立て上がった着物を一度解いてから裁ちの入った部分を縫い合わすと

元の反物の状態に戻ります。この解きは縫いの工程を当店では内職として近所の

御宅の出していました。この御宅はご夫婦で商店を営んでいましたがご主人が

結核を患い療養所に入院していました。奥様を商店を一人で切り盛りする事が

出来なかったので商店を人に貸してご自分は昼間は土方(土木作業員)をして

夜は八百屋さんで使用していた新聞紙で使う買い物袋を作る袋張りや当店の

解きは縫いの内職をして5人のお子さんを育てとの一代記をお聞きしました。

握りハサミとリッパー

解きの工程は握りハサミからリッパーへと変わってきました。

洋裁しつけ糸

は縫いも昔は白の木綿の洋裁しつけ糸での手縫いで行っていました。

直線縫いとは言え運針で10か所を縫っています。現在はロックミシンで縫う為に

そんなに苦労はありませんが、5m以上を運針していた計算になります。

お住まいもご近所から車で30分位の所に引越した為に毎週夕食後の仕上がった物を

取りに行きまた同じ分の仕立て上がった着物を持って行きました。

お邪魔するといつも美味しいお茶をご馳走になりました。

ご高齢になった事とロックミシンが出回り当店も両親がは縫いとパートさんに

解き物をお願いするようになったのでご縁が切れてしまいましたが、大正生まれで

戦争を潜り抜けて方はとてもバイタリティーがありました。戦後生まれで高度経済成長期で

育った私ではとてもかないません。10年位前にご子息さんが訪ねて来られたのでご様子を

お聞きした所、認知症を発症してお亡くなりになった事をお聞きしました。

この場を借りてご冥福をお祈りいたします。

 

着物と洋服のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

営業時間 9:00~18:00

休日 日曜・祝日

メール mitsuysanpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

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